中共の新国防部長・董軍が取調べ 台湾侵攻は先送りか?

2024/11/29
更新: 2024/11/29

イギリス「フィナンシャル・タイムズ」によると、中共(中国共産党)の国防部長である董軍が汚職の疑いで取調べを受けており、その取調べは中共軍の上層部にも及んでいるとのことだ。分析によれば、中共軍はかつてない危機に直面していると指摘されている。

董軍は昨年12月末に中共の国防部長に任命された。11月27日、「フィナンシャル・タイムズ」は、アメリカの現役および元高官の情報を引用し、中共が軍に対する反汚職取調べを拡大しており、董軍もその取調べ対象の一人であると報じた。

もし董軍に関する取調べの情報が事実であれば、彼は魏鳳和と李尚福に続いて、汚職問題で失脚する3人目の国防部長となるだろう。

台湾国防安全研究院の戦略・資源所の蘇紫雲所長は次のように述べている。

「これは中共軍内部の構造的な汚職問題を示している。また、董軍は行方不明のリスクに直面している可能性がある。なぜなら、当初アメリカのオースティン国防長官との会談が予定されていたにもかかわらず、会わないことを理由にキャンセルしたからだ。これは前任の李尚福の状況と似ている」

同日、中共外交部の毛寧報道官は記者会見で外国メディアの質問に対し、この情報は「根拠のない噂」だと主張した。しかし注目すべきは、中共外交部がその後公表した定例会見の内容に、この質疑応答の部分が削除されていたのだ。

分析によると、中共は常に汚職を口実に官僚を攻撃しているが、実際には、派閥間の内紛の問題を隠蔽している。

蘇紫雲氏は次のように述べている。

「政治的な観点から見ると、習近平派、江沢民派、そして青年団派の間で激しい争いがあり、現在は習近平派がいくつかの優位性を握っている。今残っている軍部は習近平に対抗できるかもしれない」

最近、中共の党首である習近平の側近数人、具体的には中共中央軍事委員会の苗華や東部戦区の林向陽が取調べを受けているというニュースが、海外のソーシャルメディアで広く拡散されている。

分析によると、中共軍の汚職は深刻で、すでに戦闘力を失っているとされている。もしこれらの人物に問題があることが証明されれば、中共の台湾侵攻計画は、必然的に妨げられるだろう。

時事評論家の唐靖遠氏は次のように述べている。

「中共の軍隊は設立以来、この数十年間変化がなく、内部では常に派閥や地方勢力に依存して、軍隊の運営を維持してきた。もし中共が苗華や林向陽の影響を徹底的に排除し、一連の幹部を入れ替え、再統合を試みるなら、1〜2年、あるいは2〜3年の時間が必要になるだろう。したがって、2027年の台湾侵攻計画は、大きく延期される可能性がある」

中共による台湾への脅威は依然として続いている。今月末、頼清徳総統は、就任後初めての海外訪問を行う予定で、ロイター通信によると、台湾の匿名の高官が話したところによれば、頼清徳総統はアメリカを経由するとのことだ。また、台湾側は、中共がこの期間中に軍事演習を行う可能性があると予測している。

一方、現在台湾を訪れているアメリカオレゴン州選出の民主党上院議員ジェフ・マークリー氏は26日に頼清徳と会談し、党派を超えて議会が台湾を強く支持していることを明らかにした。