次期米通商代表にグリア氏が指名 対中強硬政策を継続

2024/11/29
更新: 2024/11/29

ドナルド・トランプ次期大統領は、元米通商代表ロバート・ライトハイザー氏の首席補佐官を務めたジェイミソン・グリア氏を次期政権の通商代表に指名した。グリア氏はトランプ氏の通商原則を効果的に実行することが期待されている。

トランプ氏は声明で、第1期政権中にグリア氏が中国の不公正な貿易慣行に対抗して達成した成果を称賛した。

グリア氏はトランプ氏の第1期政権で通商代表ライトハイザー氏の首席補佐官を務め、カナダとメキシコとの北米自由貿易協定の交渉にも参加した。またグリア氏は不公正貿易慣行に対抗するための関税導入を主張し、製造業のアメリカ回帰を積極的に推進し、中国がアメリカと自由世界にとって最大の脅威であると考えている。

米通商代表に指名されたグリア氏は、次のように述べた。

「私は関税が重要な戦略的価値を持つと考えている。中共(中国共産党)は、アメリカと持続可能な政治的貿易関係を築く機会を数十年持っていたが、彼らは別の道を選んだ」

一般的に、グリア氏は中共に対して引き続き強硬な通商措置を取ると考えられる。トランプ氏による彼の指名は、中共に対する強硬な通商政策への固い決意を示している。

アメリカの対中危機委員会(CPDC)の委員である林暁旭氏は次のように述べている。

「彼が選んだ人物には一定の闘士的な性格があると思う。したがって、彼が就任後、中共に対してより強硬な通商政策を取り、トランプ氏の関税戦略を堅持することが予測される。これはトランプ氏が選挙期間中に掲げた重要な公約、つまり関税を交渉の重要なツールとして使用するという点を反映している」 

中共がWTOに加盟して以来、中共は国家補助金、技術窃取、強制的技術移転などの不公正な手段を通じて世界的に拡大してきた。グリア氏の以前の上司である前通商代表ライトハイザー氏は、米中貿易の不公平な現状を変えるために関税を通じて対応すべきだと常に主張してきた。

時事評論家の秦鵬氏は次のように指摘している。

「この方法は、中国の重要な産業、特に2025計画に関連する産業に大きな打撃を与えるだろう。トランプ氏はライトハイザー氏のアプローチに賛同している。中国の貿易の見通しから見ると、アメリカはより強硬な姿勢を取るだろう」

一般的に、グリア氏の就任により、中共の最恵国待遇の取り消しが進む可能性があり、これは中共にとって大きな打撃と考えられている。

林暁旭氏は次のように強調している。

「これは中共が最も恐れている事態だ。長年享受してきた最恵国待遇やWTO加盟による利益が、すぐに終わる可能性があるからだ」

トランプ氏は今週、中国からの輸入品に追加で10%の関税を課すと発表し、その結果、人民元の為替レートは約4か月ぶりの最安値に下落した。