最近、中国共産党(中共)の軍部が異例にも「集団指導」を支持し、「独断専行」に反対する姿勢を示している。これは、習近平が軍権を失いつつあることを示唆しているとの分析がありる。
習近平の側近で、軍事委員会政治工作部の主任だった苗華が失脚した後、軍部は鄧小平から胡錦濤時代まで採用されていた政治局や常務委員会といった複数のメンバーで決定を行う「集団指導体制」を強調し、1人に権力が集中する習近平の「独断専行体制」に反対する姿勢を見せている。軍事委員会の主席責任制には触れず、首長分担責任制のみを強調した。
複数の専門家は、これが異常な兆候であり、習近平が内部闘争や健康問題により軍権を失いつつある可能性があると指摘している。
『遠見快評』の司会者 唐靖遠氏
「銃(軍隊)から政権が生まれる。習近平の軍事委員会主席としての地位を形だけのものにし、実際の軍権を失った場合、総書記や国家主席の地位も長くは続かないだろう。任期が終了する前に、早期に退場を余儀なくされる可能性もある」
12月9日、中共軍のウェブサイトは「集団指導」を強調し、「独断専行」を批判し、党内の民主主義を呼びかけた。12月11日には再び記事を掲載し、「個人による決定」や「個人による局面の固定化」を避けるよう求めている。
唐靖遠氏は続けて述べた
「実際、習近平は軍内に基盤がなく、実質的な威信もない。これが毛沢東との最大の違いだ。毛沢東はかつて二線に退いたことがあるが、建国前から紅軍と共に戦ってきた経緯がある。そのため、毛沢東はうまくいかなければ軍を率いて井岡山に戻り、ゲリラ戦を再開すると公言できた。しかし、習近平にはそれができない」
台湾国家安全研究所の沈明室所長は、中共が「集団指導」の意向を示し、民主集中制を強調していることは、過去の中共の制度を用いて習近平に権力を手放すよう求めていると指摘している。
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