東京都文京シビックホールで証言集会 法輪功学習者が弾圧の実態を訴え

2024/12/14
更新: 2024/12/14

2024年12月10日、世界人権デーに合わせ、東京都文京シビックホールで法輪功学習者による証言集会がNPO法人・日本法輪大法学会の主催で開催された。

法輪功は1992年に中国で伝えだされた 「真・善・忍」を理念とする心身修養法で、道徳を向上させ、病気治療と健康保持の効果が評価されていた。

しかし1999年、中国共産党(中共)は法輪功に対する全国的な弾圧を開始した。あまりに急速に学習者数を増やした法輪功に嫉妬、恐怖を感じたのが原因とされている。中国共産党が弾圧を開始して以降、多くの法輪功学習者が収監・拷問され、現在に至るまで続いている。

証言集会では10人の、迫害を受けた、または中国に迫害を受けた親族を持つ法輪功学習者が中国共産党による迫害の実態を語り、迫害停止を訴えている。今回はその10人のうち3人の登壇者の証言を紹介する。

劉月(りゅう・げつ)さん

劉月さんは中国出身で、現在は横浜市に在住している。劉月さんと劉さんの妹夫婦は、かつて中国で非常にポピュラーになっていた法輪功の愛好者であった。

現在、劉月さんの中国に在住する妹夫婦も迫害を受けており、妹は逮捕され、義理の弟は刑務所に入れられている。法輪功学習者が逮捕される場合、刑務所で重労働をさせられるだけでなく、臓器収奪の対象となることもあるため、劉月さんは妹夫婦の状況を非常に危惧している。

劉月さんは「中国では現在も、時々刻々、残酷な迫害が絶えず発生している。生体からの臓器摘出や拷問といったきわめて非人道的な行為は中国だけの災難ではなく、世界的な災難だと思う」「世界中の人々が中国共産党の実態を認識し、その嘘や宣伝に惑わされることなく、真実に目を向けることを望んでいる」と述べた。

また法輪功の学習者たちが迫害されている状況に対し、彼らを守るための支援を行ってほしいと訴えた。

Aさん(匿名希望)

Aさんは中国出身で、Aさんとその家族は法輪功を習ったため、中国共産党から迫害された。

Aさんの姉は以前めまい、風邪、咳、ふくらはぎの痙攣などが頻繁に起こっていたが、法輪功を習った後、健康を取り戻し、元気になった。Aさんの母もたびたび悩まされていた激しいめまいが1年で完治したほか、Aさんの祖母も猫背が改善したという。

しかし法輪功に対する弾圧が始まってから、Aさん家族は25年間残酷な迫害を受けた。

警察などはAさん家族に絶えず嫌がらせ、脅迫をし、家宅捜索をしたほか、身分証明書を提示せずに逮捕したという。

2011年にはAさんの姉と妹が法輪功迫害の真相を話したという理由で強制連行され、姉は2年間、14歳の妹は未成年ながら1年間の強制労働を言い渡された。

またAさんの姉は2015年に私服警官に連行され、2016年、地元の裁判所は法的根拠のないままに禁固3年の判決を下したという。

拘留中、刑務官は他の受刑者に交代でAさんの姉を大きな袋に入れるように指示し、睡眠は1日2時間しか与えず、残りの数時間はずっと同じ姿勢で立つことを強要した。

2023年には数十人の私服警察官が突然家宅捜索に入り、家にいたAさんと妹たちを強制逮捕した。一昼夜の取り調べの後に釈放されたものの、その後も警察はAさんたちに何度も電話をかけるなどの嫌がらせをした。

AさんとAさんの姉は、迫害から逃れるために家を出ることを余儀なくされ、友人の助けを借りて日本に逃れた。日本に来ることができ感謝している一方、中国にいる家族などが、またいつか逮捕され、拘留され、ひいては臓器摘出被害に遭うかもしれないため、心はまだ不安だという。Aさんは中国共産党による法輪功への迫害を止めるよう呼びかけていくとした。

張樹莉(ちょう・じゅり)さん

張樹莉さんは山東省出身で、姉が法輪功を学んだ後に頭痛が消え、健康になった姿を目にし、学び始めたという。

張さんは法輪功は人に善良な人間になる事を教えるので、心が大きく改善され、人のために考えることを学んだ。

しかし中国で法輪功に対する迫害が始まり、張さんは4回拘留され、そしてそのたびに金銭を要求された。1度目は2千元(約4万円)で、 2度目は5千元、3度目は1万2千元であった。夜10時過ぎに暗い小部屋に監禁され、髪をつかまれて地面に押し付けられるなどの暴行を受け、同時にタオルで口をふさがれて、その上、背中に重い重りを背負わされた時には、息ができなかったという。

日本に住んでいた張さんの4番目の姉の助けもあり、張さんは日本に来ることができた。日本政府は張さんの境遇に理解を示し、在留資格を与えただけではなく、刑務所にいる3番目の姉の面会に人を派遣し、姉に対する迫害を緩和したという。張さんは「日本政府と日本国民に深く感謝します」と述べた。

一方、張さんの妹は今も中国で拘束され、恐喝され、拷問を受けている。張さんは日本政府に対して、私の家族と中国で迫害されている他の法輪功の学習者に注意を払ってもらえるよう呼び掛けていきたいと話した。