アマゾンは12日、トランプ次期大統領の就任式基金に100万ドルを寄付すると発表した。また、就任式をPrime Videoでライブ配信することで、追加の100万ドル相当の支援を行うとした。
この発表はウォール・ストリート・ジャーナルによって最初に報じられた。FacebookとInstagramの親会社であるMetaもトランプ氏の就任式基金に100万ドルを寄付したことが同時に明らかになった。
これは、これまでトランプ氏との関係が険悪だったテクノロジー業界のリーダーたちが、新政権との関係改善を目指していることを示すものだ。トランプ氏はこれまでアマゾンとその創業者であるジェフ・ベゾス氏が所有するワシントン・ポストの報道内容を批判してきた。一方でベゾス氏も、2019年のペンタゴン10億ドル契約をめぐる訴訟で、トランプ氏を偏向的だと非難していた。
アマゾンの寄付やライブ配信、Metaの寄付は、長年の対立を経た両者が新たな関係構築を目指す戦略的な動きであるとみられる。
Metaとの関係改善の兆し
Metaとトランプ氏の関係は、2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件後、FacebookとInstagramのアカウントが停止されたことで大きく悪化した。Metaは、トランプ氏が「暴力行為を称賛する発言」を行ったことを理由にアカウント停止を決定したと説明している。
その後、2023年初頭にアカウントは復元され、同社は「暴力行為や市民の不安を煽る行為」に対する厳格な措置を発表した。さらに、2024年7月12日、トランプ氏がペンシルベニア州での選挙集会中に銃撃を受けた際には、ザッカーバーグ氏が電話で見舞いの意を伝えた。
ザッカーバーグ氏は後日、トランプ氏について「銃撃を受けた後もアメリカ国旗を掲げて拳を振り上げた姿は、これまで見た中で最も印象的な光景の一つだった」と語った。この発言は、トランプ氏に対するザッカーバーグ氏の態度の変化を象徴するものとなった。
トランプ氏とテック業界の新たな関係
トランプ氏もポッドキャスト番組「Bussin’ With the Boys」で、ザッカーバーグ氏からの電話に感謝の意を表し、「選挙への干渉を控えた点を高く評価している」と語った。これは、ザッカーバーグ氏夫妻が2020年の大統領選挙時に4億ドルを寄付し、その大部分が民主党寄りの郡に割り当てられたとされる一連の批判への言及とみられる。
最近では、ザッカーバーグ氏がトランプ氏の経済政策の一部を支持する姿勢を示しており、両者の関係は改善傾向にある。トランプ氏の政策スタッフであるスティーブン・ミラー氏によれば、Metaは新政権の国家改革を支援する意向を示しているという。
ベゾス氏も最近態度を軟化させ、ビジネスサミットでトランプ氏の次期政権に期待を寄せる発言を行い、規制改革案を支持する姿勢を示した。トランプ氏とベゾス氏は来週会談する予定であり、これまでの緊張関係が転換点を迎える可能性がある。
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