近頃、中国各地で学生を狙った無差別殺傷事件が相次いでいるため、いまでは通学時間帯の小中学校の校門前は「危険地帯」となっている。
この事態を受け、学校前に(暴走車による)衝突防止用の各種バリケードを設置したり、銃を持った武装軍人や公安を校門前に立たせるなどの「厳重な警備体制」を敷く学校も増えている。
そんななか、今月12日、中国寧夏回族自治区(ねいか⁻かいぞくじちく)のとある学校で行われた対テロ訓練が少し話題になった。
話題になったのは、台本にないハプニングが発生し、大変なことになったからだ。
その様子を捉えた動画は、棒のような武器を手にもつ暴徒(役者)が複数の警備員に襲い掛かかるシーンから始まる。すると、事件のにおいを嗅ぎつけた(事情を知らない)正義感あふれる市民のおじさんがどこからかやってきたのだ。
おじさんは、乗ってきた電動バイクを停めた後、迷いもなくさっそく「戦闘」に乱入した。このおじさんは背後から暴徒役の男性の首に手をかけて一瞬で倒した。男性は突然増えた台本にない敵に戸惑い、何が起きたのか全く事情が呑み込めない様子だった。地面に倒されたうえ武器まで取り上げられて力強く振り下ろされるという絶体絶命の状況になった。
「こんなの台本にないぞ!」と動画転載者までもが、この不運な暴徒のために声を上げている。
関連動画には乱入したおじさんの正義感を称賛する声のほか、弱すぎる暴徒役の公安の戦力があまりに低いことへの皮肉などが寄せられている。なかには、「本番にこうした正義の市民が現れるとは限らない」といった声も。
(ある中国の学校で行われた対テロ訓練の1シーン、2024年12月12日、中国寧夏回族自治区)
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