防衛省のシンクタンク「防衛研究所」が刊行する年次報告書「中国安全保障レポート2025」が12月17日、公表された。
同報告書は、中国の安全保障に関する広範な問題を分析しており、扱われる題材は、中国の安全保障を考えるにあたって中長期的に有用との観点から選定され、その内容は軍事にとどまらず、広く政治、経済、国際関係に及ぶ。2025年版のテーマは「台頭するグローバル・サウスと中国」だ。
「グローバル・サウス」とは、先進諸国と対比される新興国家群の総称。特にロシアのウクライナ侵略後、日米欧に同調することなく、中露とも独自の関係を保つ姿勢が注目されている。
報告書作成にあたっては、「経済成長を背景に国際社会での存在感を高めるグローバル・サウス諸国と中国の関係の現状、中国の対グローバル・サウス・アプローチ、当該各国の対中認識について議論され、そこでは特に、中国との関係の深まりが 顕著であり、かつ地域自体の重要性が再確認されている中東とアフリカに焦点を当てた」と、『中国安全保障レポート 2025』編集長で地域研究部長の庄司智孝氏が「はしがき」の中で述べている。
さらに「 エネルギー安全保障や地政学の観点から考察を欠くことができないこれらの地域の国々と 中国との関係について、国際社会において注目を浴びているガザ問題を含め包括的に論じ、 これまでにない新たな観点と戦略的含意を提示したものと自負している」とも述べている。
本報告書の章立ては以下の通り。
序章
第 1 章 グローバル・サウスの糾合を図る中国
第 2 章 中東諸国と中国 米国とは異なる大国として、中東でプレゼンスを高める中国
第 3 章 拡大するアフリカ・中国関係とその課題
終章
https://www.nids.mod.go.jp/publication/chinareport/pdf/china_report_JP_web_2025_A01.pdf
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