「中国共産党当局は精神病院を利用して正常な人々を迫害している」
「(自分を閉じ込めた)江西省精神科病院では、患者を使って新薬を試し、男性医師は毎日のように女性患者に性的暴行を加えている……入院患者の半数以上は、公安によって送り込まれており、ほとんどが正常な人間だ」
ネットを通じて、そう訴えるのは中国江西省の27歳の女性・李宜雪(り ぎせつ)さん。
李さんは2022年、自分にわいせつを働いた警官を通報したその日のうちに、警察署によって精神病院に無理やり入れられ、56日間閉じ込められて迫害を受けた経歴を持つ。
精神病院から出た後、精神病院を提訴し、精神病院の実態と当局の悪行を実名で告発してきた李さんが最近、再度「失踪」したことがわかり、華人圏では「彼女を探せ!」と呼びかける投稿があふれている。
なお「被精神病」とは精神的疾患を患っていない正常な人間を「精神病だ」と断定して、その自由を奪う中共(中国共産党)当局のやりかたである。
(失踪した李宜雪さんへの注目を呼びかける投稿、時事評論家の李沐陽氏が転載)
「助けて!」
李さんは11月29日に投稿した動画のなかで「(私は)毎日脅されている、彼らは昔のように、もう一度私を消せると言っている」と訴えていた。
失踪前に投稿された別の動画では、「警察署(江西省南昌市派出所)トップは十数人の男を引き連れて自分の家に押し入った。助けてください!」とSOSを発していた。この元動画はまもなくして削除されたが、海外の華人圏では多くシェアされている。
李さんはさらに「私は李宜雪です、もし私が死んだら絶対に自殺ではありません、江西省精神病院と丁公路派出所によって殺されたはずです」という内容の「遺言」を残している。
そのような背景もあり、世論は彼女の失踪と当局による迫害をどうしても結びつけてしまい、彼女が再び精神病院に収容され、当局の口封じに遭ったのではないかと懸念する声が広っている。
当局にとって「都合の悪い」告発をする彼女が、存在を消されないよう、そして彼女を救うために、華人圏のネット上では彼女に関する情報が絶えず投稿・転載されている。
というのは、「世論に忘れられたら、終わり」ということを人々は知っているからだ。
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