十大PEファンドが中国で足止め  世界的資本流出が加速

2024/12/27
更新: 2024/12/27

英フィナンシャル・タイムズ紙は12月24日、世界の十大プライベート・エクイティ(PE)・ファンドが、中国で足止めされていると報じた。ゴールドマン・サックスの幹部も最近、資金が中国にいったん資金が入ると、それを送金するのは非常に難しいと述べている。分析によると、中国経済の減速とそれに伴う厳しい規制が、主な原因とされている。

ディーロジックの最新データによれば、中国で事業を展開する世界トップ10のPEファンドの中で、今年は中国企業を上場させたり、M&Aを通じて完全に株式を売却したりした会社は一社もなかった。

これは、これらの投資機関の資金が縛られ、将来の収益にも不確実性があることを意味している。

2021年に中共が企業上場の新規制を導入して以来、PEファンドの中国からの撤退ペースは鈍化し、今年は10年ぶりに「ゼロ撤退」の状況となった。

分析によると、中共の厳しい規制と経済の悪化が影響し、世界中のPEファンドが行き詰まっている。ここ1、2年の株式市場の激しい変動も、共産党の管理強化と資本コントロールが要因だ。

ゴールドマン・サックスの会長兼CEOのデービッド・ソロモン氏は、先月香港での「国際金融リーダー投資サミット」で、過去5年間、中国からの資金送金が非常に困難だったと述べ、現在、世界の投資家は中国への投資に慎重な姿勢を取っていると語った。

大紀元のコラムニスト、王赫氏は次のように述べている。
「中国は資本開放市場ではないため、資本の出入りは国家によって厳しく管理されている。昨年から中国の株式市場は不調が続いており、中共は株式市場を活性化させたいと考え、上場企業数の管理を始めた。今年は初めて上場企業数が100社を下回った。このため、PEファンドは撤退の手段を失い、行き詰まっている」

PEファンド・グループが直面している中国への投資の困難に加え、トランプ氏がアメリカ大統領に当選した後に予定されている対中関税政策などが影響し、外国資本の撤退が加速している。今年11月には、中国の資本市場から457億ドルが流出し、単月で過去最高を記録した。

経済学者たちは、中国が抱える一連の問題を考慮すると、将来の経済見通しは、さらに悪化する可能性があると指摘している。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の経済学者、俞偉雄氏は次のように述べている。
「資源の誤配置が原因で、家計消費が伸び悩み、資産バブル崩壊後には人々が倹約を余儀なくされ、経済の低迷が続いている。この状況から、人々や企業、外国投資家が中国経済に対してますます失望し、最近の記録的な資本流出が起きている。中国の経済パフォーマンスは、ここ数年芳しくないが、将来の見通しはさらに厳しくなる可能性がある」