「メディアにGHQ占領時の洗脳工作加担の告白求める」 日本の真の独立を目指す有識者会議が会見

2025/01/08
更新: 2025/01/08

日本の真の独立とは何かをアカデミックな立場から考える有識者会議、「日本の真の独立を目指す有識者会議」(ECAJTI)は6日、東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見を行い、日本放送協会(NHK) が戦後GHQによる日本国民の洗脳工作に加担させられたことを、日本国民に対して告白・懺悔するよう求めた。この要求はNHKの稲葉延雄会長宛ての公開書簡という形で発出され、2025年4月28日を回答期限としている。

公開書簡の内容

公開書簡が発出された背景には、戦後の日本における歴史認識と国民意識に関する深刻な問題意識がある。会見では、副議長の山下英次(大阪市立大学名誉教授)氏が書簡の内容を発表した。
書簡では、主な背景として、連合国軍総司令部(GHQ)による占領期の言論統制と、それに伴う日本国民への「洗脳工作」があげられている。具体的には、GHQの民間情報局(CIE)が展開した「戦争犯罪情報プログラム」(WGIP)を通じて、日本人に戦争犯罪意識を植え付ける取り組みが行われたとされ、NHKを含むメディアがこの「洗脳工作」に加担させられたことが指摘されている。特に、『太平洋戦争史』という冊子の内容を基にしたラジオ番組『眞相はかうだ』の放送や、厳しい検閲制度の存在が言及されている。

ECATJIは、こうした歴史的経緯が現在の日本人の自虐史観につながっているとし、メディアがこの事実を十分に国民に伝えてこなかったことを問題視し、NHKに対して、GHQによる洗脳工作への加担を国民に告白・懺悔することを要求した。

さらに、書簡は元NHK幹部の春日由三氏の著書、『体験的放送論』(1967 年 1 月、 日本放送出版協会(現 NHK 出版)から発行)を引用し、NHKの内部でもこの問題への認識があったことを指摘している。ECATJIは、こうしたNHKの大先輩である春日由三氏の58年前の認識に立ち返り、NHKが正面からこの問題に向き合うことを求めている。

同書簡に対するNHKからの回答期限は2025年4月28日とされている。この日はサンフランシスコ講和条約発効から73年目の日であり、ECATJIでは4月28日を本来なら日本が独立記念日としなければならなかった「悔恨の独立記念日」であると呼んでいる。

洗脳から脱する好機

副議長の田中英道(東北大学名誉教授)氏は会見で、「日本の政治は、戦後のGHQが作ったいろんな政策をずっと伸ばし伸ばしにしてきた。米国ではトランプ次期政権が徹底的に改革する姿勢を示している。元米大統領ルーズベルト(FDR)はある意味で共産主義だった。ソ連と組んで世界を変えようとしていた。共産主義は現在の中国を見れば分かるように完全に崩壊している。日本は根底を作り変え、新しい日本を出発させる必要がある」と述べ、今こそ戦後の洗脳された日本から脱する好機であると強調した。

「心理戦」「世論戦」に警鐘

有識者議員の矢野義昭(日本安全保障フォーラム会長)氏は、軍事用語でいう「心理戦」や「世論戦」の危険性について述べた。「日本が大東亜戦争に突入した大きな背景に、アメリカの特にルーズベルト(FDR)政権が冠した反日政策がある。この反日世論の展開点はどこにあるか遡ると、1917年のロシア革命にある。当時からアメリカのメディア自体が左傾していたということだ。左傾とはどういう意味かと言うと、いわゆるフランクフルト学派、文化共産主義である。いわゆるマルキシズムの暴力革命によるのではなく、知識人の意識を変えていくことによって、徐々に革命の素地を作り、社会を共産化していく手法だ。これが20世紀の初頭からニューヨークタイムズの買収等をきっかけに、どんどんアメリカメディアの中で広がっていった」と述べ、それは今でも行われているとして警鐘を鳴らした。

自虐史観の悪影響

戦後の占領期に洗脳政策によって日本人が植え付けられた自虐史観、この悪影響として実際にどのような例があるのかという記者の問いに対し、山下氏は、「GHQがやった禁止条項の中にメディアに対するものがあり、GHQや原子爆弾に対する批判はいけないというものなどがあった。その他に、中国や朝鮮人に対する批判はいけないというものがあった。それがずっと尾を引いていて、中国や朝鮮の人々に対して正しいことを言えない風潮になり、日本人が戦前戦中に悪いことをしたに違いないと思い込んでしまい、慰安婦問題などで首相が謝ってしまう、お金を出してしまうということになった。それは大間違いであり、歴史的事実に反することだった」と述べ、多くある事例の中のひとつであるとして紹介した。

有識者議員の松田学(元衆議院議員)氏は、日本経済の停滞の原因は自虐史観でしかないと思うとし、「なぜ90年代にあれだけの内政干渉を許し、構造改革がなされたのか。あれは結局、日本のマーケットや日本の資産を外資が活用しやすくするための改革だった。その時に、私たちが自分たちの歴史のことを正しく評価していれば、もっと違ったことをできたはずで、30年間も賃金が上がらないこともなかった。これは日本国民が受けている具体的な被害だ」と述べた。

日本の真の自立の重要な意味

「真の独立を達成した後の日本について、どのような未来像を抱いているのか」との記者の質問に対し、田中氏は、「私自身が体現しようと思っていることは、神道の研究を深め、古事記、日本書紀といった日本の神話といわれる歴史を読み返し、神社・仏閣、全てを受け入れるという日本の思想を述べるための言葉を作って行くこと。中国では共産主義によって人々のモラルが完全に失われた。このモラルの喪失は結局世界中に蔓延している。日本の道徳観や尊敬、感謝の気持ちというものを自信をもって示すことで、日本の姿勢に注目するということになればいい、それを努力していく必要があるだろうと思う」と語った。

松田氏は、日本の真の自立には実は世界史的な意味があるという。「この数百年の西洋文明がグローバリズムという形で破綻し新しい世界に移行していくとき、個人が競争して豊かになるのではなく、共に協力して、共に豊かになるという、日本が営んできた社会のあり方に世界中が注目する。トランプは自立せよと言っている政権だ。アメリカファーストということは、日本ファーストである。それぞれの国が自分の国ファーストになることによって、八紘一宇、世界共通の一つの屋根の下で共存していく大調和、これが日本の考え方だと思う」とし、このような地球文明を始める国になることが日本の真の自立の重要な意味ではないかと語った。

今後の動き

この書簡は、戦後日本のメディアと歴史認識の在り方に一石を投じるものであり、日本の「真の独立」を目指す上での重要な問題提起となる可能性がある。山下氏は、「回答期限の4月28日、NHKから前向きな返答があれば、あらゆることで積極的にご協力申し上げたいと思っております」と述べた。

今後の予定として、1月25日(土)14:00から、ECAJTIは公開シンポジウム「戦後GHQによる日本国民の洗脳工作に加担させられたメディアは告白・懺悔せよ」を開催する(場所:HAP表参道)。その際にはNHKだけでなく、全てのメディアを批判の対象にする予定だという。

▶EPOCH TIMES JAPAN編集長 ▶番組「日本の思想リーダーズ」ホスト ▶1969年東京生まれ ▶青山学院大学法学部卒 ▶総合商社日商岩井(現双日)にて情報産業等に約10年間従事。独立後紆余曲折を経て3年半ベトナムに渡る。帰国後1年間の無職期間中に日本各地を巡る。その後2015年からメディア業界へ。