トランプ氏がグリーンランドに注目 EU加盟国の反応は?

2025/01/10
更新: 2025/01/10

トランプ氏が関心を寄せるグリーンランドが世界の注目を集めている。トランプ氏の発言やトランプ・ジュニア氏の視察により、欧州の同盟国は不安を感じている。

次期大統領トランプ氏がグリーンランド購入の意向を繰り返したことで、宗主国デンマークが加盟するEUおよびNATOの他の加盟国が様々な反応を示している。

ドイツのショルツ首相は「国境不可侵の原則は、すべての国に適用される」と述べている。またフランスのバロ外相は、欧州は心配する必要はなく、EUには対応策があると考えている。デンマークのラスムセン外相は、「デンマークには外交危機はない」としており、トランプ氏がグリーンランドと北極に関心を持つ理由を理解していると述べた。

時事評論家で軍事ブロガーのマーク氏は次のように述べた。

「ロシアや中共が米国を攻撃する場合、大陸間弾道ミサイルの最短経路は北極を通り、北から南へ米国に向かうことになる。そのため、ロシアの反対側にあるカナダとグリーンランドが、米国のミサイル防衛にとって最も重要な基地となる」

トランプ氏は最近、中国共産党(中共)とロシアの船舶がグリーンランド周辺で頻繁に目撃され、自由社会と世界の安全を脅かしていると指摘した。彼は2019年にグリーンランドの購入を提案し、今年の発言はその決意をさらに強調している。またトランプ氏の息子のドナルド・トランプ・ジュニア氏がグリーンランドを非公式に訪問し、「グリーンランドへの旅は本当に驚くべきものだった。グリーンランドの人々は非常に温かく、トランプと米国に対してとてもエキサイトしていた」と述べた。その間、トランプ氏は電話を通じて現地のファンと交流した。

デンマーク議会のグリーンランド議員アーヤ・ケムニッツ氏は、「多くの面で、これはアメリカ市民になるかデンマーク市民になるかの問題ではなく、アメリカとの協力を強化すべきかどうかの問題だ」

EUの報道官もアメリカとの協力の重要性を強調した。EU報道官アニッタ・ヒッパー氏は、「我々は次期米国政権と協力し、共通の目標と重要な戦略的利益を実現するために、より強力な大西洋横断的なアジェンダを策定することを期待している」と述べた。アメリカの大西洋同盟国に対して、トランプ氏は新たな安全保障目標を提示した。

トランプ次期米大統領は「彼ら(NATO諸国)は危険な状況にあり、軍事支出はGDPの2%ではなく5%であるべきです。私が彼らの支出を2%にさせた人間です」と述べている。トランプ氏は一期目の任期中、NATO加盟国の国防費を各国GDPの2%レベルに引き上げた。