岩屋外相 トランプ大統領就任式に招待 対米外交に足がかり

2025/01/11
更新: 2025/01/11

トランプ次期大統領側から今月20日に行われる就任式に岩屋毅外務大臣を招待したいという意向が伝えられた。政府は大統領就任式に岩屋外相を派遣する意向だ。複数メディアが報じた。

アメリカ大統領就任式には慣例的に日本からは駐米大使が招待を受けて出席するのが慣例となっており、今回、外務大臣が出席するのは異例だ。

関係者によると外相は、日本政府としてトランプ氏と石破茂首相の早期会談に対する希望を伝える予定だという。岩屋外相は国務長官に就任予定のルビオ上院議員との会談も実現させたいところだ。また自民党の片山さつき参議院議員も、前トランプ政権時の駐日大使ハガティ上院議員から招待を受け、就任式に出席することを明らかにしている

岩屋外相は昨年12月の訪中の際、中国共産党(中共)政府の台湾問題における立場を尊重し、歴史問題については「村山談話」で明確に示された立場を引き続き堅持すると表明。加えて北京で中国人向けの査証(ビザ)発給に関する緩和措置を表明するなど、中国共産党(中共)政府に歩み寄る姿勢を見せてきた。

そうした姿勢は自民党内から批判の声もあがっている。NHKによると、萩生田光一元政務調査会長は10日、動画配信サイトの番組「櫻LIVE」で訪中の際、岩屋外相が示したビザの発給要件などを緩和する方針について、「党の外交部会などに全くかけず、約束をしてきてしまったのは問題」「外交の基軸は日米だ。アメリカの外交政策が見えない時に、慌てて中国や無政府状態に近い韓国にわざわざ行く時間があれば、外務大臣は東南アジアに行ったほうがいい」などと批判を受けている。

アメリカとの外交をどのように展開するのか、トランプ政権の厳しい対中姿勢が予想される中、岩屋外相の今後の動向が注目される。