資産運用大手ブラックロックが脱酸素化から撤退 気候連合「NZAM」からの脱退 

2025/01/12
更新: 2025/01/12

約11兆5千億ドルの資産を管理する世界最大の資産運用会社ブラックロックは、経済の積極的な脱炭素化を主張する国連が支持する気候協定から撤退することを決定した。

ブラックロックの広報担当者は、大紀元の取材に対し、同社が「ネット・ゼロ資産運用イニシアチブ(NZAM)」からの撤退を決めたことを確認した。NZAMは、325以上の署名団体からなる連合で、合計57兆5千ドル以上の資産を管理している。署名団体は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標に投資戦略を合わせることを約束している。

広報担当者によれば、この気候協定への参加は、ブラックロックが顧客ポートフォリオを管理する方法には影響しなかったが、同社の実務について混乱を招き、公職者による法的調査を受ける原因となったという。NZAMからの撤退後も、ブラックロックは持続可能な投資への取り組みを維持する意向だ。

最近、ウォール街の複数の大手銀行も、同様にネットゼロ目標を推進する銀行向けの気候協定「ネット・ゼロ銀行連盟(NZBA)」から脱退している。

共和党議員、とりわけエネルギー産出州の議員は、銀行や資産運用会社がネットゼロ連合に参加することを進歩的な議題の一環として批判し、独占禁止法違反を主張している。

昨年11月、テキサス州を含む共和党主導の11州はブラックロックや競合他社を提訴し、彼らが石炭生産を妨害し、エネルギー価格を引き上げたと非難した。

「テキサス州は、金融業界が不当な目的で利用され、破壊的な政治的『環境』議題を支援することを容認しない」とテキサス州のケン・パクストン司法長官は声明で述べた。

同氏は「ブラックロック、バンガード、ステート・ストリートは石炭市場を操作し、エネルギー供給を人工的に削減し、価格を引き上げるカルテルを形成した。これは州法および連邦法の驚くべき違反だ」と続けた。

ブラックロックは、この訴訟は消費者が依存する重要な企業への投資を損なうものだとして、この申し立てを否定した。

2024年に株主向けに送った書簡の中で、ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は、同社が「従来型エネルギー企業からの投資撤退を支持したことはない」と述べ、顧客を代表して従来型エネルギー企業に3千億ドル以上を投資しているとした。

「もし顧客が炭化水素に投資したいと思えば、それを実現するためのあらゆる機会を提供する。同様に、エネルギー転換戦略に約1380億ドルを投資している」とフィンク氏は述べ、「それが資産運用会社の役割であり、顧客の指示に従うのが我々の使命だ」と語った。

昨年12月、共和党が支配する議会委員会は、ブラックロックを含む多数の資産運用会社に対し、NZAMへの関与に関する情報提供を求めた。

「NZAMに加盟している60以上の資産運用会社は、目先の思想に基づく投資を優先し、受託者責任を軽視したことに答えるべきだ」と下院司法委員会は声明で述べた。また、各資産運用会社に送られた書簡では、「NZAMの共謀的な活動」に関連する記録の保存が求められ、潜在的な法改正の検討に役立てる意向が示された。

一部の金融機関が貸し手向け気候協定から脱退した後、テキサス州司法長官は1月7日の声明でこれを称賛した。パクストン氏は、気候協定が重要な石油・ガス産業を損なうことを目的としており、同盟への加盟はテキサス州政府機関との契約締結を妨げる可能性があると主張した。

The Epoch Times上級記者。ジャーナリズム、マーケティング、コミュニケーション等の分野に精通している。