急増する金属類の盗難事件 千葉県が盗品の流通を規制する新たな条例を施行

2025/01/13
更新: 2025/01/13

金属類の盗難事件が急増している。特に被害が多いのは、銅線やグレーチング、金属板、水道の蛇口、自動車のマフラーの触媒などだ。背景に金属類の取引価格高騰があると考えられる。

千葉県は盗品の流通を規制する新たな条例を今月1日に施行した。買い取り業者は営業許可が必要で、取り引きの際には本人確認を行い記録を保管することなどが義務づけられる。

千葉県警察も工事業者や施設管理者に向けて、銅線などの貴重な金属類は屋外に放置せず、施錠可能な倉庫で保管するよう呼びかけている。その他、防犯カメラやセンサーライトの設置、機械警備の導入、定期的な巡回などを効果的な対策として挙げている。

こうした施策が採られる背景には、令和2年以降、金属スクラップの価格が上昇、特に銅の価格が2倍近くまで上昇していること、また盗んだ金属スクラップは処分・売却が容易であり、流通を防ぐのは困難であることがある。

また太陽光発電施設でも銅線ケーブル盗難被害が深刻で、損害保険会社の保険金支払額が膨らみ、保険契約の持続的な運営が困難な状況に至るほどだという。県警は、施設面と管理運用面の両面からの対策を提案している。

施設面では、頑強なフェンスや門扉の設置、施設内の見通しを良くするための雑草除去、防犯カメラやセンサーライトの設置。さらに、ケーブルを地中に埋設するなど、容易に持ち出せないような工夫の重要性も訴えている。

管理面では定期的なメンテナンスで異常の早期発見を心掛けるようにする他、機械警備の導入、また定期的な巡回の実施を検討するなどをあげている。

県警は独自に警告チラシを作成し、太陽光発電施設の外周への掲示を呼びかけ、一般市民に対しても不審者や不審車両を見かけた場合は、迅速に警察へ通報するよう呼びかけるなど協力を求めている。