気象庁は1月14日、南海トラフ地震臨時情報「調査終了」を発表し、平常時より巨大地震の発生確率が高まっているとは考えられないとの見解を示した。
この発表は、1月13日21時19分に日向灘で発生した地震を受けて行われた「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の結果に基づいている。この地震は、当初懸念されていた「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」や「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」のいずれにも該当しないと判断された。これにより、気象庁は23時45分に「調査終了」の情報を発表した。
南海トラフ地震は、今後30年以内に70%から80%の確率で発生すると予測されている大規模地震である。今回の判断により、直近の地震活動が南海トラフ地震の引き金になる可能性は低いと考えられるが、専門家は依然として警戒が必要だと指摘している。
気象庁は、今回の事態を受けて、一般市民に対して通常の生活を続けてよいとしながらも、今後も大規模地震が起きる可能性があることを念頭に置き、日頃の地震への備えを再確認するよう呼びかけている。具体的には、避難経路の確認、非常用持ち出し品の準備、家具の転倒防止対策などが挙げられる。
南海トラフ地震臨時情報は、大規模地震の発生可能性が相対的に高まったと評価された場合に発表される重要な防災情報である。今回のケースでは、幸いにも大規模地震の危険性は高まっていないと判断されたが、この制度の運用により、地震への備えの重要性が改めて認識される機会となった。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。