自民党の森山裕幹事長と公明党の西田実仁幹事長を含む12人の議員団が、2025年1月13日から15日までの日程で中国を訪問している。この訪問の主な目的は、2018年10月以来約7年ぶりとなる「第9回日中与党交流協議会」に出席することである。
この協議会は、自民党、公明党、そして中国共産党(中共)の間で行われる定期対話の場であり、今回の再開は日中関係の改善に向けた一歩とされている。議員団は北京を訪れ、中国共産党の対外連絡部の幹部らと会談する予定である。
訪中の背景には、日中間に山積する課題の解決に向けた対話の必要性があるという。日本側は、中国における邦人の安全確保や日本産牛肉の対中輸出再開、北朝鮮の核・ミサイル問題への対応などについて議論する意向を示している。また、公明党は紛争予防や災害復興を目的とした、アジア版の全欧安保協力機構(OSCE)の創設を提案する予定である。
石破茂首相は、この与党交流協議会の再開を踏まえ、様々なレベルでの日中間の交流を希望する考えを表明している。また、自身も早期の訪中に意欲を示しており、今回の議員団の訪中が首脳会談につながる可能性も示唆されている。
中国共産党の対外連絡部は、2022年7月、ドイツの情報機関によりスパイ機関に指定されている組織だ。また、2023年6月、ドイツ連邦憲法擁護庁は「中共対外連絡部が、事実上、中共の諜報機関のように活動している。各国の政治情報を入手し、海外の意思決定に影響を与える上で中心的な役割を果たしている」とし、実際には中共の情報機関の一部であることを開示する通達を出している。また、中共の資料によると対外連絡部は世界160以上の国や地域の500以上の政党や組織と関係を築き、維持しているとされている。
議員団帰国後の今後の展開が注目される。
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