ドイツの高級スポーツカーメーカー、ポルシェ(Porsche AG)は1月13日、2024年の中国市場での販売台数が前年比28%減少したと発表した。中国市場の低迷はドイツ自動車メーカー全体に影響を及ぼしており、日本の自動車メーカーも苦戦している。ホンダの中国での販売台数は前年から30.9%減少した。
フォルクスワーゲン傘下のポルシェは、2024年に中国で5万6887台販売したが、2023年の7万9283台から大幅に減少した。この販売の減少は、ポルシェの世界全体の販売台数にも影響を与え、2024年の世界販売台数は前年比3%減の31万0718台となった。
中国では不動産危機などで経済成長が鈍化し、消費者の高級品への支出意欲は低下している。ポルシェの取締役会メンバーであるデトレフ・フォン・プラテン氏は声明で「2024年の厳しい市場環境の中で、我々は非常に堅調な成果を示した」と述べた。
ポルシェは昨年10月、中国市場での需要低迷を受け、販売ネットワークの縮小を決定している。中国経済の低迷が続く中、他のドイツメーカーも同様に販売減少の影響を受けている。
メルセデス・ベンツは2024年、中国での販売台数が7%減少したと発表した。フォルクスワーゲンブランドも8.3%減少し、中国での販売台数は220万台となった。BMWは2024年の全体販売台数が前年比2.3%減少し、中国市場では13.4%減少、ドイツ市場では5.3%減少した。また、フォルクスワーゲン傘下のアウディも中国での販売が11%減少した。
日本の自動車メーカーも同様に、中国での販売が大幅に減少している。現地メーカーであるBYDなどとの価格競争が厳しさを増しているのが一因である。ホンダは2024年、中国での販売台数が30.9%減少し、85万2269台となった。9年ぶりに販売台数は100万台を下回った。日産は12.2%減の69万6631台、トヨタは6.9%減の177万6千台となり、いずれも3年連続で前年を下回った。
2024年12月23日、ホンダと日産は2026年の合併に向け協議を行っていることを発表した。この動きは日系自動車業界における歴史的な転換点であり、中国のEVメーカーが日系メーカーに与える脅威を象徴するものでもある。
ホンダと日産は昨年から中国市場での生産削減と人員最適化を進めている。ホンダは、昨年10月に広州の年産5万台の工場を閉鎖し、11月には年産24万台の武漢工場の稼働を一時停止した。
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