中共軍東部戦区代表団 6年ぶりに訪日 防衛交流の意義と懸念

2025/01/14
更新: 2025/01/14

中国共産党(中共)軍で東シナ海などを管轄する東部戦区の代表団が1月13日から日本を訪問している。同代表団の訪日は2018年11月以来、約6年ぶりとなる。15日までの訪日期間中、代表団は防衛省や自衛隊幹部と会談し、関連部隊の視察も予定されている。

林官房長官は14日の記者会見で、「指揮官レベルで率直な意思疎通を図り、相互理解と信頼醸成を進めることは建設的で安定的な日中関係の構築に寄与する」と述べ、防衛交流の意義を強調した。

日本国内の反応と懸案事項

日中間では、沖縄県尖閣諸島周辺での中国公船による領海侵入を含め、さまざまな懸案事項が存在している。これらの問題は、地域の安全保障や両国間の信頼関係に大きな影響を与えている。

中国軍との防衛交流については、日本国内でも賛否が分かれる見通しだ。一部では「地域の安定に向けた前向きな交流」と評価される一方で、中国の軍事的脅威を懸念する声も根強い。

台湾国防大学の政戦学院元院長・余宗基氏は「アメリカが民主主義を支持する国際的な流れの中で、石破氏は日米同盟の枠組みを堅守し、中国共産党との距離を保つだろう」との見方を示した。また、石破氏の外交姿勢について、「防衛力の強化と経済協力のバランスを取ろうとする現実的で均衡の取れた路線だ」と評価している。

東部戦区は、台湾への侵攻を主な任務としている。実際に、台湾に対する軍事的圧力を強めるための威圧行動や演習を継続的に実施してきた。

今回の東部戦区代表団の訪日や日本側議員団の訪中は、日中間の信頼醸成と地域の安定を目指す試みといえる。一方で、こうした交流強化が米中対立の激化や日本国内での不安を招くリスクも指摘されており、慎重な対応が求められている。

議員団の訪中とその影響

一方、自民党の森山裕幹事長、公明党の西田実仁幹事長を含む12名の議員団は、13日から15日の日程で中国を訪問し、政党間の対話拡大を目指している。

この動きについて、時事評論家の矢板明夫氏は「トランプ氏の強硬な対中政策の中で、日本が親中化することは容認されないだろう。また、中国との関係強化が日米同盟に対する米国側の不信感を招く可能性もある」と指摘する。

さらに、「アメリカは一定の防衛交流を容認する可能性はあるが、日本が親中路線を取ることまでは許さない」との見解を示した。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。