2024年の「早期・希望退職」 3年ぶりに1万人超え

2025/01/14
更新: 2025/01/14

2024年の「早期・希望退職募集」が判明した。東京商工リサーチの独自調査によると上場企業は57社で、前年の41社と比べて39.0%増加している。募集人員は1万9人(昨年:3161人)と昨年に比べて3倍に増加した。また2021年の1万5892人以来、募集人員は3年ぶりに1万人を超えた。

2024年の募集人数は大手メーカーを中心としており、1千人を募集したオムロン、1500人を募集した資生堂、グループ全社2400人に及ぶ募集を行うコニカミノルタ、従業員500人の募集を明かしたシャープ、1千人を募集するリコー、他にも富士通などの企業が挙げられる。

2025年にはルネサスエレクトロニクスが国内外の社員約2万1千人から、5%未満にあたる人員削減を行うことが明らかとなっている。

また業種別では、電気機器が13社(3320人)と最多であり、次いで情報通信社が10社(757人)、医薬品4社(880人)、繊維製品4社(694人)、機械4社(300人)、食料品3社(150人)、卸売業3社(71人)、サービス業3社(27人)となる。

「早期・希望退職募集」を実施した企業の直近通期最終損益は、黒字が34社で59.65%と約6割を占め、赤字が40.35%と約4割を占めている。また、黒字企業の募集人数は8141人と全体の約8割を占めている。

こうした早期・希望退職募集の急増は、経営環境の変化への対応と将来を見据えた構造改革が主な背景にある。新規分野への進出と既存分野の縮小、人材のスキルミスマッチ解消、若年層への対象拡大などが特徴的だ。円安の影響や労働市場の変化も要因となり、企業は競争力強化と持続可能な成長を目指して人材戦略の見直しを進めている。

エポックタイムズ記者。大学では地理学を専攻。主に日本の時事について執筆しています!