2024年の負債1千万円未満の企業倒産件数が536件に達し、4年ぶりに500件を超えたことが東京商工リサーチの調査で明らかになった。この数字は前年比8.2%増であり、2年連続で増加している。
負債1千万円未満の倒産は、新型コロナウイルスの影響で2020年に630件まで急増した後、2年連続で減少したが、2023年から再び増加に転じている。
産業別では、サービス業他が最多の243件で全体の45.3%を占めた。サービス業他とは、宿泊業や運輸業など明確に分類されない幅広い職種を含むカテゴリで、美容、警備、清掃、翻訳、イベント企画、ペット関連など多岐にわたる個人向けおよび事業向けサービスなどが含まれている。
次いで建設業、小売業、卸売業の順となっている。倒産の形態としては、ほとんどが破産や特別清算などの消滅型倒産であった。
倒産の主な原因は「販売不振」であるが、他社の倒産の影響を受けた連鎖倒産も急増している。また、資本金1千万円未満の小規模企業が全体の92.5%を占めており、小規模企業の経営状況の厳しさが浮き彫りになっている。
東京商工リサーチのアンケート(昨年12月実施)によると、中小企業の6割以上が今後自社業界の倒産が増えると予想している。物価高や人手不足、最低賃金の引き上げなどが小規模企業にとって大きな負担となっており、今後も負債1千万円未満の倒産が増加する可能性が高いと指摘されている。
この状況下で、小規模企業が生き残るためには、人材確保や生産性向上への取り組みが重要になると考えられる。
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