「給料を払え!」と怒りに震える声で叫び、垂れ幕を掲げ、「払わないと自殺する」とビルの屋上に登らざるを得ないほど追い詰められた労働者たち。そんなシーンは今では、一線都市の上海、深センを含む中国全土で毎日のように繰り返される「日常」となっている。
とくに旧正月(1月29日)を控えるこの時期では、こうした抗議の声は一段と高まっている。
1月3日の福建省アモイ市ではクレーン車に登った労働者が、高所で2時間以上立ち続けた。現場には「我われの稼いだ金を返せ(還我血汗錢)」と書かれた横断幕を広げてあった。最終的に騒ぎが大きくなり、消防車と警察が現場に到着し、交渉を重ねた結果、労働者は自ら降りてきた。
そのアモイ市では14日、給料の支払いを求める労働者たちが暴力的に追い払われる「事件」が起きた。
同市にある国有企業が消防隊を呼びつけて、会社前に座って静かに抗議していた労働者たちに水鉄砲を浴びせたのだ。
ネットに投稿された現場の動画のなかには、高圧水を噴射されてずぶぬれになった労働者たちのあまりにも惨めな姿があった。現場には、労働者たちを脅す「お偉いさん」の姿もみられた。
水を浴びせられたある出稼ぎ労働者によると、建築現場で働く自分は2~3年前から給料もらえていない、もらっていない給料は10万元以上(約200万円以上)にのぼるという。
「そろそろ年越しだから、いい加減給料を払ってほしくてここへ来たら水をかけられて追い払われてしまった」
と嘆いていた。
公開情報によると、問題の会社(「象嶼集団」)は数万人の従業員を抱える国有企業だ。
会社の行動に、ネットユーザーからは「冷血過ぎる!」「最低!」といった非難が殺到している。
(現場の様子)
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