東京に本社を置く宇宙ベンチャー企業「ispace(アイスペース)」が開発した月着陸船が、日本時間15日午後3時11分、米フロリダ州のケネディ宇宙センターからスペースXのロケット「ファルコン9」に搭載され、無事に打ち上げられた。
ロケットからの分離も予定通り完了し、月面着陸への道が開かれた。アイスペースは、「HAKUTO-R」と名付けられた月面探査プログラムの一環として、日本の民間企業として初の月面着陸を目指している。同社は2010年に設立され、月への低コスト輸送サービスの提供を目的として活動している。
今回の月着陸船は、5月末から6月初旬に月面着陸を予定している。もし成功すれば、世界で3番目の民間企業による月面着陸となり、日本の宇宙産業にとって画期的な出来事となるだろう。
月面探査プログラムに「アルテミス計画」
アメリカ航空宇宙局(NASA:National Aeronautics and Space Administration)が主導する国際的な月面探査プログラムに「アルテミス計画」がある。この計画は、アポロ計画以来約半世紀ぶりに人類を月面に送り込み、持続的な月面活動の構築を目指している。
アルテミス計画の主な目的には、月の南極付近に存在する水資源や重要鉱物の開発、月周回軌道上に有人宇宙ステーション「ゲートウェイ」の建設、月面での持続的な人類の活動基盤の確立、将来的な火星有人探査に向けた技術開発と経験の蓄積などがある。現在の計画では、2027年以降に月面に人類を送ることを目指している。
アルテミス計画は、アメリカだけでなく日本を含む国際協働プロジェクトとして進められており、民間企業も深く関わっている点がアポロ計画と大きく異なる。日本も「アルテミス合意」に署名しており、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA:Japan Aerospace Exploration Agency)を中心に技術開発や月面活動への参加が期待されている。
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