東京都は2025年度から、個人宅を対象とした防犯機器の購入費用補助制度を新設する方針を固めた。首都圏で相次ぐ「闇バイト」による強盗事件を受け、個人宅での防犯対策強化を促す狙いがある。NHKなどが報じた。
闇バイトとは、SNSなどで「簡単に稼げる」と勧誘し、実際には強盗などの犯罪行為をさせる違法な仕事のことを指す。2024年8月以降、東京都や埼玉県、千葉県、神奈川県の4都県で少なくとも7件の関連事件が発生しており、社会問題となっている。
最近の事例では、2024年9月30日に東京都国分寺市で起きた強盗事件がある。この事件では、60代女性が自宅で暴行を受け、約550万円相当の現金や貴重品を奪われた。
警察庁は2024年10月8日、各警察本部の捜査幹部を集めた会議を開催し、「被害者に重傷を負わせる悪質極まりない事件も発生し、国民の体感治安に大きく影響を及ぼしている」と強い危機感を示した。
これらの状況を踏まえ、東京都は個人宅の防犯対策強化を支援する新たな取り組みを開始する。現在、東京都には商店街などを対象とした防犯カメラ設置補助制度があるが、個人宅向けの制度は初めてとなる。
新制度の詳細はまだ明らかにされていないが、既存の制度を参考にすると、防犯カメラやセンサーライトなどの機器が対象になると予想される。補助率や上限額については今後発表される見込みだ。
専門家は「防犯機器の設置は犯罪抑止に効果があるが、個人での導入にはコストの問題があった。今回の補助制度は、都民の防犯意識向上と、より安全な地域づくりにつながるだろう」と評価している。
東京都は、この新制度を通じて都民の防犯意識を高め、犯罪の抑止力となることを期待している。今後、具体的な制度設計や予算規模などが明らかになる予定だ。
中国製防犯カメラのリスク
しかし、近年の防犯カメラの多くは中国製だ。中国製防犯カメラには、リスクが指摘されている。懸念されるのはデータセキュリティの問題だ。中国共産党(中共)政権によるスパイ活動や人権弾圧、情報収集の懸念がある。一部の中国製カメラには、製造元や第三者がアクセスできるバックドアが仕込まれている可能性が指摘されている。米政府は、一部の中国製防犯カメラメーカーに対して禁輸措置を実施している。
中共政権は「天網」と呼ばれる監視カメラ等を使った監視システムにより、中国国内で個人情報を収集している。
日本製の防犯カメラの場合も注意が必要だ。カメラがOEM製造である場合があるからだ。OEM製造とは、「Original Equipment Manufacturer」の略で、日本語では「相手先ブランド製造」と訳される。これは、あるメーカーが自社のブランド名ではなく、他社のブランド名で製品を製造することを指す。一部の日本ブランドの防犯カメラも、実際には中国メーカーによるOEM製造であり、同様のリスクを抱えている可能性がある。
防犯機器の購入費用補助制度の詳細が今後どのような内容になるのか、中国製の防犯カメラ設置へ費用補助がなされることになれば本末転倒だろう。東京都民、ひいては日本国民の安全のためにも注目していく必要がある。
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