旧正月(1月29日)を控える中国各地で、「もうすぐ年越しだ! いい加減、給料を払え!」と抗議する労働者の声は一段と高まっている。
雇い主の企業前やロビーなどに垂れ幕を掲げて抗議したり、なかには「払わないと自殺する」とビルの屋上にも登らざるを得ないほど追い詰められた労働者も少なくない。
今月13~15日、江西省の省都・南昌市(なんしょう-し)の都市管理局が給料の支払いを求める労働者によって、連日占拠される事態も起きている。
都市管理局「城管局、紅谷灘(こうこくたん)区」の建築現場で働いてきた出稼ぎ労働者たちは、同管理局に乗り込み、布団と生活用品などを持ち込んで寝泊まりしながら3昼夜連続で抗議をしている。
「給料をもらえるまで離れない」と誓っているという。
抗議に参加した労働者の1人によると、「自分を含む200人以上の労働者が給料をもらっていない、未払い給料の総額は500万元(約1億600万円)以上に上る」という。
請け負い業者は逮捕され、労働者たちはこれまで何度も権利を擁護してきた。法に則って労働当局などで必要な手続きを全てやったが、いまだに給料をもらえないようだ。
現場を映した動画のなかには、市城管局の建物の廊下やオフィスに座ったり、布団を敷いて横になったりする人たちが大勢いた。うち1人は「農民労働者の給料払え!」と叫んでいた。
(現場の様子、城管局を占拠する出稼ぎ労働者たち)
悲しい「日常」
このような「給料払え!」のシーンは、もはや中国全土で毎日のように繰り返される悲しい「日常」とすらなっている。
これに先立ち、広東省広州市のある建築現場でも、上からお金が下りなかったために、請負会社は現場労働者の給料を払えなくなった。そこで怒った労働者たちは、自分たちの手でつくった市のランドマーク彫刻を破壊した。破壊活動の最中、一部労働者は駆け付けた公安に向かって、「止めるな、止めるやつは誰であれ殺す」などと大声で叫んでいた。
福建省アモイ市では14日、国有企業が消防隊を呼びつけて、会社前に座って静かに給料の未払いに抗議していた労働者たちに放水砲を浴びせて追い払った。
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