中国で「またも」、学校食堂の衛生問題が話題になっている。
16日、江西省公立中学校の食堂職員が、食材を足で踏みつけた話題がSNSウェイボー(微博)のトレンド入りした。
同学校「新余市第十六中学」の食堂の問題のシーンはある学生保護者がたまたま撮影したものだ。
公開された動画のなかには、制服を着た食堂スタッフが床に置かれたプラスチックのバケツのなかの食材を長靴で踏みつけていた。そばには忙しそうにしている別のスタッフの姿もあった。
生徒保護者によると、子供が食堂から出された給食を食べて具合悪くなったり、食事のなかから異物が出てきたといったことも過去にあったという。
「学校食堂の衛生問題」は近頃、頻繁に報道されており、「またか!」
「なぜ改善されないのか」と世論は完全に呆れている。
ネット上で罵声が響き渡り、世論のプレッシャーをうけて、問題の食堂のスタッフはクビになり、校長を含む学校役人が免職になったと現地当局が発表した。
しかし、世論は「関係者だけ処分」の結果に納得していない。
「毎回問題が発覚すると、関係者だけクビにして問題はそのまま棚上げ」
「今回のは氷山の一角だろう? 子供たちの食の安全をどう守ってくれるのか?」
このような問題の根絶を求める世論の声は極めて高い。
食の安全問題
「中国産食品」と聞いただけで、何とも言えない「不安心感」を感じる人は多い。
不衛生な環境での生産・販売、残留農薬や基準を超える添加剤の使用、有毒有害物質の添加、廃棄油を再利用した「地溝油」、注水肉(重量水増しのために注水した食肉)、賞味期限が切れたのにラベル張り直して再販売される危険食品……。
中国の食をめぐる闇を掘れば掘るほど、ぞっとする。
なぜ中国の食の安全問題がこれほどまでにひどいのか。「政府の監督不備や腐敗」のほか、「企業や生産者個人の基本的な道徳観の喪失」と指摘する人は多い。
富が一部の人に集中する極端な中国の格差社会の中で、企業や末端の生産者は、「刹那的な目先の金銭を得ることだけがすべて」という価値観・道徳観の歪みが、食の安全問題の根本にあるのだ。
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