岩屋毅外相は15日の午前11時15分(日本時間同日12時15分)、訪問先のフィリピンでマナロ外相と約2時間にわたり会談した。会談では自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、アメリカがトランプ政権に代わったあとも3か国の連携を維持・強化していくことで一致した。NHKが報道した。
また、会談の中で岩屋外相は「自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、日本とフィリピンの連携強化を確認したい。地域の戦略的環境が厳しさを増す中、2国間の協力に加え、アメリカを含む3か国の重層的な協力の維持・強化も必要だ」と言及した。
両外相は海洋進出を強める中国も念頭に、安全保障分野の強化が重要だとし、日本が防衛装備品などを供給するOSA(政府安全保障能力強化支援)の枠組みを継続することや、今年マニラでの外務次官級の戦略対話の開催も併せて確認した。
経済分野に関しては、洪水対策を含むインフラ整備、気候変動対策などで協力を進めていくとした。
また岩屋外相は会談後の記者会見で、南シナ海で地域の緊張を高める行為が繰り返されていることについて深刻に懸念しているとし、「力による現状変更の試みに反対するとともに、緊張の緩和を強く求めており、2国間や多国間の協力を引き続き強化していきたい」と言及した。近年、中国共産党は南シナ海への軍事的影響を強めており、西側諸国から問題視されている。
来週、アメリカを訪問することに関連して「日米フィリピンの3か国の連携が具体化しており、自由で開かれたインド太平洋の実現にとって非常に重要な取り組みだ。次期政権との間では、この地域への建設的な関与がアメリカにとっても重要だという観点から、しっかり意思疎通を図っていきたい」と述べた。
また岩屋外相は会談前の現地時間9時40分(日本時間同日午前10時40分)から約10分間、フィリピンの独立運動を主導した国民的英雄ホセ・リサールの像が設置されているリサール公園において献花を行った。
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