伊東良孝消費者担当相は17日の記者会見で、動物実験により発がん性の懸念があるとして、アメリカで食品や経口薬での使用を禁止する着色料「赤色3号」の安全性を強調した。
「食品衛生法」第十二条に基づき、専門家の議論を踏まえて上で、人の健康を損なうことない添加物と指定され、使用を認めてきた」としている。
現時点では、「アメリカの発表でも、人への危険性を示す科学的根拠が、認められたわけではない」と指摘した。
「まずはアメリカの決定内容を精査し、諸外国の動向も踏まえ、科学的見地から対応が必要かを含め検討していく」と述べ、国際的な動向を慎重に注視する姿勢を示した。
赤色3号(エリスロシン)は、キャンディー、冷菓、フルーツジュース、焼き菓子の飾り付け、栄養ドリンクなどに使用される合成着色料。ヨウ素を含むキサンテン系の色素であり、その分子構造が特有の鮮やかな赤色を生み出している。安定性が高く、水溶性であるため、日本を含む多くの国で広く利用してきた。
一方、動物実験では、高濃度の赤色3号を長期間摂取した場合、発がん性があるとしている。
EUでは健康リスクへの懸念から、赤色3号の使用は厳しく制限され、カクテルチェリーや特定の缶詰など、限定された用途でのみ使用が許可されている。今回、アメリカが禁止措置を発表したことで、国際的な注目が集まっている。
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