農林水産省が1月15日に発表した最新のデータによると、2024年12月のコメの相対取引価格が、すべての銘柄の平均で前年同月比約60%上昇し、4か月連続で最高値を更新したことが明らかになった。
相対取引価格は、出荷団体と米卸業者との間で取引される価格の平均を示すもので、米価の代表的な指標とされている。12月の価格は60キロあたり約2万4000円と推定され、これは2024年10月に記録した過去最高値2万3820円をさらに上回る水準となった。
この急激な価格上昇の背景には、2024年産米の不作による供給不足や、需要の回復が挙げられる。特に、コシヒカリやあきたこまちなどの主要銘柄で価格上昇が顕著であり、一部の取引ではコシヒカリが60キロあたり2万5000円を超える例も見られた。
農林水産省の担当者は、「品薄状態と集荷業者間の競争激化が主な要因」と分析している。この価格上昇は、生産者にとっては収入増加につながる一方で、消費者の家計負担増加も懸念される。
実際に、総務省が発表した2024年9月の消費者物価指数では、米類の価格が前年同期比44.7%上昇し、49年ぶりの大幅な上昇となっていた。この傾向が続けば、さらなる消費者価格の上昇も予想される。
農業関係者からは、「再生産可能な価格水準に戻りつつある」との声がある一方、消費者団体からは「家計への影響が心配」との懸念の声も上がっている。
政府は今後、需給バランスの改善や価格の安定化に向けた対策を検討するとしているが、天候不順による作況の変動や国際情勢の影響もあり、先行きは不透明な状況が続いている。
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