日銀調査 物価上昇が支出や意識に大きく影響

2025/01/17
更新: 2025/01/17

日本銀行が1月17日に発表した「生活意識に関するアンケート調査」(第100回)によると、物価上昇が家計支出や収入の先行き不安に大きく影響を与えていることが明らかになった。

調査は、2024年11月7日から12月3日にかけて実施され、全国の満20歳以上の個人4千人を対象に行われた(有効回答者数2099人)

支出の判断基準 物価の動向を最重視

調査では、今後1年間の支出を考える際に特に重視する項目として、「今後の物価の動向」を挙げた人が最も多かった。次いで、「収入の増減」や「余暇・休暇の増減」が挙げられ、物価や収入は家計に与える影響が強く意識されていることが伺える。

商品・サービス選びの基準 価格と安全性が鍵

商品やサービスを選ぶ際に特に重視する項目では、「価格が安い」という回答が59.6%で最多だった。続いて「安全性が高い」(44.4%)「長く使える」(43.8)といった品質や耐久性に関する回答が多く、消費者がコストパフォーマンスや安全性を重視している傾向が鮮明となった。

物価に対する実感と予想

現在の物価実感

現在の物価について、1年前と比較して「かなり上がった」と感じている人の割合は69.2%で、前回9月調査の63.8%から増加した。「少し上がった」と回答した人は25.9%であり、合計で95.1%が物価上昇を実感している。具体的な物価上昇率の平均値は+17.0%(前回+14.5%)、中央値は+12.5%(前回+10.0%)となった。

(出典 日銀)

1年後の物価予想

1年後の物価について「上がる」と予想する人の割合は85.7%で、前回の85.6%とほぼ同水準だった。具体的な予想上昇率の平均値は+11.5%(前回+10.0%)、中央値は+10.0%(前回+8.0%)と、依然として物価が上昇すると見込む回答が多い。

家計の収入と支出

収入

現在の収入について「増えた」と回答した人は17.1%で、前回の19.0%から減少。「減った」と回答した人は30.1%で、前回の28.8%から増加した。1年後の収入については、「増える」と回答した人が11.0%(前回11.7%)、「減る」と回答した人が29.9%(前回28.1%)となり、収入の先行きに対する不安が見られた。

支出

現在の支出について「増えた」と回答した人は44.0%で、前回の48.6%から減少。「減った」と回答した人は20.5%で、前回の15.9%から増加した。1年後の支出については、「増える」と回答した人が11.0%(前回11.7%)、「減る」と回答した人が29.9%(前回28.1%)となり、支出を抑制する傾向が浮き彫りとなった。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。