IMFが世界経済見通しを上方修正 米国の強さが牽引 日本の利上げも予測

2025/01/18
更新: 2025/01/18

国際通貨基金(IMF)は17日、2025年の世界経済成長率予測を3.3%に引き上げた。これは前回の予測から0.1%ポイントの上昇となる。この上方修正の主な要因は、予想を上回る米国経済の強さだ。

IMFの最新の世界経済見通しによると、2025年と2026年の世界経済成長率はともに3.3%と予測されている。世界のインフレ率については、2025年に4.2%、2026年には3.5%まで低下すると見込んでいる。
一方で、主要経済国間での成長の格差が広がっていることも指摘されている。米国経済が予想以上の強さを見せる一方、ドイツやフランスなどの欧州諸国の見通しは下方修正された。例えば、ドイツの2025年の成長率予測は0.3%にとどまっている。

日本経済については、2025年の成長率予測が1.1%で据え置かれた。さらに、IMFのチーフエコノミスト、ピエール・オリビエ・グランシャ氏は、日本銀行が2025年に2回、2026年にさらに2回の利上げを実施するとの見通しを示した。

中国経済については、2025年の成長率予測を4.6%に引き上げた。これは11月に発表された財政刺激策を考慮したものだとIMFは説明している。

IMFは、世界経済の成長率が2000年から2019年の平均である3.7%を下回っていることも指摘している。また、関税や非関税障壁、補助金といった一方的な措置が貿易相手国に悪影響を与え、報復措置を招く可能性があると警告している。

この最新の経済見通しは、世界経済が新型コロナウイルスのパンデミックやウクライナ戦争による大きな混乱から脱しつつあることを示唆している。しかし、地政学的な対立や貿易摩擦の増加、主要国での選挙など、不確実性も依然として高いとIMFは分析している。