台湾総統 日本との経済連携協定締結に期待表明

2025/01/19
更新: 2025/01/19

台湾の頼清徳総統が、日本との経済連携協定(EPA)締結への期待を表明した。この発言は、2025年1月16日に台北市で開催された台北市日本工商会と台湾日本人会の共催による新年会の場で行われた。

約500社の日系企業が加盟する台北市日本工商会が主催するこの新年会は、日本と台湾のビジネス関係者が一堂に会する重要な機会となっている。頼総統は、この場を利用して日本との経済関係強化への意欲を示した。

頼総統は、半導体、人工知能(AI)、次世代通信などの分野での日台協力に加え、EPAの締結に強い期待を寄せていると述べた。これは、両国の経済関係をさらに深化させる意図を示すものである。

また、頼総統は日本政府や日本の友人たちが台湾海峡の安全を重視していることへの感謝も表明。台湾は防衛力を強化し、日本と協力して地域と世界の平和と安定を守っていく決意を示した。

この発言は、2024年8月に野田佳彦元首相との会談で示された方針と一致しており、頼総統の日本重視の姿勢が継続していることを示している。

台湾と日本の関係は現在、戦後最も良好な状態にあるとされており、頼総統の今回の発言は両国関係のさらなる発展を目指すものと見られる。

この新年会は茹曦酒店(旧王朝大酒店)で開催され、台湾に進出する日系企業の代表者らが多数参加した。経済面での協力強化を通じて、日台関係の一層の深化が期待される。

日本のEPA等交渉の状況

2024年12月時点で、日本は21の経済連携協定(EPA)を発効または署名している。発効済は、シンガポール、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ、インドネシア、ブルネイ、ASEAN、フィリピン、スイス、ベトナム、インド、ペルー、豪州、モンゴル、CPTTP、EU、米国、英国、RCEP。署名済はTPP12。交渉中は、トルコ、コロンビア、日中韓、バングラデシュ、GCC、UAE。その他(交渉中断中)は韓国、カナダである。

TPP12(環太平洋パートナーシップ協定)は、カナダ、豪州、シンガポール、チリ、日本、ニュージーランド、ブルネイ、米国、ベトナム、ペルー、マレーシア、メキシコの計12か国が交渉に参加。

CPTPP(包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定)は、カナダ、豪州、シンガポール、チリ、日本、ニュージーランド、ブルネイ、ベトナム、ペルー、マレーシア、メキシコの計11か国が交渉に参加。2024年5月時点における締約国は、日本以外にシンガポール、豪州、ニュージーランド、カナダ、メキシコ、ベトナム、ペルー、マレーシア、チリ、ブルネイ、英国。

RCEP(地域的な包括的経済連携):ASEAN10か国(インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、ラオス)、日本、中国、韓国、豪州、ニュージーランドの計15か国が交渉に参加。2023年7月時点における締約国は、日本以外にブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、中国、韓国、豪州及びニュージーランド。 

エポックタイムズ記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。