1月19日、数時間前に禁止されたTikTokがサービス再開の準備を発表した。これは、1月20日に大統領就任を控えたトランプ氏が、このソーシャルメディアプラットフォームに猶予を与える意向を示したためだ。この件に関して、アメリカ議会内では意見が分かれている。
マイク・ジョンソン下院議長は、NBCニュースのインタビューで、TikTokに対する禁止措置を法的に維持する計画を表明した。
ジョンソン氏は次のように述べた。「私たちは法律を執行するつもりだ。トランプ大統領がTruth Socialに『TikTokを救う』と投稿した際の我々の理解では、彼は本格的な事業売却を強制し、所有権の変更を目指しているようだ」
また、ジョンソン氏は、中国の親会社であるバイトダンスに対する信頼が議員の間で皆無であることを指摘し、法律に基づいて270日以内にTikTokを売却しなければアメリカ国内でのアプリ使用が禁止されると説明した。「この期限が延長される唯一の方法は、実際の取引が進行中である場合だけだ」とも付け加えた。
トランプ氏、アメリカがTikTokの50%を保有する提案
トランプ氏は1月21日、Truth Socialでの投稿を通じて、就任後にTikTok関連法を見直す可能性に言及した。また、アメリカがTikTokの50%の株式を保有することを希望すると表明。この措置がプラットフォーム全体を救済し、信頼できる管理体制を確保する手段だと主張した。
「私の初期提案では、現在の所有者または新しい所有者との間で合弁事業を設立し、アメリカが選定した買収者との合弁事業において50%の株式をアメリカが保有することを目指している」と述べた。
一方、ジョンソン議長は、法律が変更される可能性があるとしても、TikTokの根本的な問題は依然として残ると指摘。「議員たちが懸念しているのはプラットフォームそのものではなく、中国共産党の影響だ」と強調した。
共和党内でも意見は分かれており、TikTok禁止措置の実施延期に反対する議員もいる。上院情報特別委員会のトム・コットン委員長と共和党上院議員のピート・リケッツ氏は、共同声明で「禁止措置の発効日を延長する法的根拠は一切ない」と述べた。
「法律は法律だ」と2人は強調した。
議会の反応と法改正の可能性
下院司法委員会のジム・ジョーダン議長は、バイトダンスがTikTokを中国共産党と無関係な企業に売却しない限り、TikTokを存続させるには法律を改正する必要があると述べた。
CNNのインタビューでジョーダン氏は、「もし必要であれば、トランプ大統領の指導のもと、議会はこの問題に取り組むだろう」と語った。また、トランプ氏がこの問題を解決できると信頼を寄せ、「明日、問題解決のための取引を理解し、実行できる人物がホワイトハウスに入る。私は非常に楽観的だ」と述べた。
しかし、現状では「法律は法律だ。企業は関連する法律を遵守しなければならない」と強調し、TikTok社は、このアプリを継続運営することで生じ得る責任問題について言及することを避けているようだと指摘した。
ジョーダン氏は、議会が昨年4月に可決した超党派法案の一環として、90日間の延長措置には満足していると述べた。
「我々は中国(中国共産党)がアメリカ国民をスパイすることを望まない。また、1億7千万人以上の利用者がいるこのアプリを通じて若者に影響を与えることも望まない。それが我々の主張だ」と語った。
大統領補佐官の見解
トランプ氏が国家安全保障担当の大統領補佐官にマイク・ウォルツ氏はCNNのインタビューで、「データがアメリカ国内で保護されるためのファイアウォールがある場合、トランプ氏は中国がTikTokを保有する可能性を排除していない」と述べた。
また、CBSニュースに対し、トランプ氏がTikTokに関する問題を解決するためには時間が必要であり、TikTok側も買収者を評価するための時間が必要だと指摘した。
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