社会問題 ミャンマーにある中国系の犯罪組織を背後で操るのは?

「爪を抜かれていた」? ミャンマーから中国モデル救出される 

2025/01/20
更新: 2025/01/20

ミャンマーにある中国系の犯罪組織に、拉致されて行方不明になっていた中国人モデル楊澤琪(ヤン ゼキ)さん(25)が、タイで救出されたことがわかった。

楊さんは、拉致された期間中に爪をぬかれるなどの虐待を受けていた可能性が指摘されている。

楊さんは中国帰国後、国民的な関心に感謝の気持ちを伝える動画をSNSに投稿しているが、最新映像のなかの彼の右手親指の爪はなかった。(血が乾いて黒くなっていた)

 

楊澤琪さんの爪の比較写真、拉致前と直近 (スクリーンショット)

 

楊さんは昨年12月、映画出演のオファーを受けてタイ・ミャンマー国境に移動した後、行方不明になった。

楊さんの父親は、中国人俳優の王星さん(31)の彼女の同様な経験を参考に真似して、タイに駆けつけて現地警察に通報し、複数のタイ・メディアの取材を受けるなどして世論の助けを乞うた。

楊さんが助出されたのは「世論のプレッシャーのおかげ」と信じる人も多い。

彼を拉致した犯罪組織には、今も監禁されている人々がいて、振り込み詐欺などオンライン詐欺に加担させられている。言うとおりにしなければ暴力を受け、業績が悪くても虐待を受ける。

どうしても言うことを聞かない人、あるいは用済みになった者は、臓器を抜き取られて海に投げ込まれる。

 

ミャンマーにある電信詐欺拠点で拷問を受けている若い中国人たち

 

中共が背後で操る「KK園区

楊さんと同様、合法的な雇用をエサにおびき寄せられた後に拉致・監禁された中国人俳優の王星さんが救出されたニュースは日本でも報じられている。

 

中国人俳優・王星さん(スクリーンショット)

 

彼らを拉致・監禁したミャンマーにある中国系の犯罪組織の拠点「KK園区(経済特区)」の実態は華人圏で大きな話題になっている。

中国共産党(中共)の「一帯一路」プロジェクトの一環でもあるこうした拠点では、中国人をはじめ、台湾、香港、インドネシア、日本、韓国の人々が誘拐され、売買され、メールやSNSを利用した電信詐欺を強要されている。

そこには日本人が20人以上監禁されている可能性があることも報じられている。

犯罪組織の創始者である段正禮(だんしょうれい)は、中共・安全当局の背景を持つ人物であり、中共官製メディア「環球時報」もかつてプラスに報道したことがある。

ミャンマーの犯罪組織を背後で操っているのが「中共」と指摘する声が華人圏で高まっているが、ここまで突っ込んで報道する大手メディアは皆無である。

 

中国国営の国際放送局CRIによる「一帯一路」プロジェクトに関する報道、2017年9月(スクリーンショット)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!