警察庁長官と警視総監 同時交代へ

2025/01/21
更新: 2025/01/21

日本全国の警察を管理・運営している機関である「警察庁」と東京都内の警察署を束ねる「警視庁」のトップが同時に交代することが決まった。21日の閣議で、警察庁の露木康浩(つゆき やすひろ)長官(61歳)と警視庁の緒方禎己(おがた よしみ)警視総監(61歳)の退任が承認された。

後任には、警察庁の楠芳伸(くすのき よしのぶ)次長(58歳)が第31代警察庁長官に、迫田裕治(さこだ ゆうじ)警備局長(56歳)が第100代警視総監にそれぞれ昇格する。楠氏の長官就任は27日付、迫田氏の警視総監就任は28日付となる。
楠新長官は広島県出身で京都大学法学部卒業後、1989年に警察庁に入庁した。交通部門を中心に幅広い業務を経験し、菅義偉元首相の官房長官秘書官も務めた実力者である。また、東京オリンピック・パラリンピックの警備・交通対策も担当した。

一方、迫田新警視総監は大阪府出身で東京大学法学部卒業後、1991年に警察庁に入庁。公安・外事部門の要職を歴任し、海外情勢やテロ対策に精通している。警視庁公安部長も経験しており、幅広い知見を持つ。

退任する露木長官は2022年8月の就任以来、安倍晋三元首相銃撃事件後の要人警護の見直しや、「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の取り締まり強化に尽力した。緒方警視総監は2024年1月の就任後、衆院東京15区補欠選挙での選挙妨害事件などの捜査を指揮した。

今回の人事異動により、警察組織のさらなる強化が期待される。新たな指導者のもと、複雑化する犯罪への対応や国民の安全確保に向けた取り組みが注目される。