中国 再び記者を最も多く拘束する国に

2025/01/21
更新: 2025/01/21

ジャーナリスト保護委員会(CPJ)の年次調査によると、2024年12月1日時点で、中国は再び世界で最も多くの記者を拘束している国となった。中国共産党(中共)は少なくとも50人の記者を拘束しており、これは世界全体の14%に相当する。

2024年には、世界で361人の記者が拘束されており、2022年の370人からわずかに減少した。しかし、中国は引き続き、記者に対する抑圧が最も厳しい国としての地位を保っている。

中国で拘束された記者たち

CPJの統計によると、中国で記者が拘束される主な理由は、敏感な問題の報道や異議の表明だ。特に新疆ウイグル自治区では、ウイグル人記者が厳しい迫害に直面している。2024年には、ウイグル人記者のクルバン・マムト氏とミラプ・ムハンマド氏が初めて拘束リストに掲載された。

  • クルバン・マムト氏 ウイグル語雑誌「新疆文明」の元編集長。「政治犯罪」の名目で15年の懲役刑を言い渡され、現在服役中。
  • ミラプ・ムハンマド氏 ブログ執筆者で、ウイグル人や人権問題についての記事を執筆していた。2018年に「外国への情報提供」の罪で拘束され、それ以来隔離拘禁が続いている。

また、ウイグル人学者でウイグル系ニュースサイトの創設者であるイリハム・トフティ氏は、「国家分裂を煽動した」として終身刑を宣告され、すでに10年以上収監されている。

香港やその他の地域での弾圧

国家安全維持法の施行後、香港紙「蘋果日報(アップルデリー)」の創業者・黎智英(ジミー・ライ)氏が2020年12月から拘束されている。同氏は国家安全に関する罪で起訴されており、終身刑の可能性がある。同紙の記者や幹部6人も、「外国勢力との共謀」の罪で拘束され、すでに3年が経過している。

さらに、2024年2月には、北京の裁判所がオーストラリア国籍の政治評論家楊恒均(よう こうきん)氏に死刑執行猶予付きの判決を下した。楊氏は中米関係や中国政府の諜報活動、政治改革についての意見を述べていた。

「反国家」罪名の濫用

CPJによると、中共政府は記者を標的にするため、「反国家」関連の罪名をさらに多用している。

  • 董郁玉(とう いく ぎょく)氏 元「光明日報」編集者で、「スパイ罪」により7年の刑を受けた。
  • 黄雪琴(こう せつ きん)氏 フェミニスト活動家で、「国家転覆扇動罪」により5年の刑を宣告された。

CPJは、中国での記者の拘束者数は、実際には統計より多い可能性があると指摘する。広範な検閲や監視が行われており、家族が報復を恐れて拘束を公にしないケースが多いためだ。

「彼らの状況は、中国が独立しようとする声を、どれほど容認したくないかを如実に示している」とCPJは強調した。

夏楚君