信じて銀行に預けた預金が、いつの間にか「保険購入に使われた」「金融商品の購入に使用された」あるいは、「知らないうちに減っていた」ひいては「預金を下ろせない」等々……。
このように、日本に住む我々にとって、耳を疑うような「事件」が中国の銀行業界で近年頻発している。
20日、中国河南省信陽市の「工商銀行(中国4大商業銀行の1つ)」のロビーでも、「預けた定期預金は満期になっても全く戻ってこない!」とある女性が自らの身分証を掲げて号泣していた。
「私は実名で告発します!光山県(町)の工商銀行は市民のお金をだまし取った」
「私は2022年3月に工商銀行で銀行員の手を経て80万元(約1700万円)を定期預金(1年)として預けた。しかし、満期になったいま、まったく戻ってこない。工商銀行は責任逃れし、誰も相手にしてくれない」と女性は泣きながら訴えた。
(「預けた定期預金は満期になっても全く戻ってこない!」と泣き叫ぶ女性。2025年1月20日、中国河南省信陽市にある「工商銀行」にて)
この件を取り上げた中国メディアによれば、女性がお金を預けたとき、明細書を渡されていなかった。銀行員は女性の預金を勝手に債券購入に使用した。明細書がないため、銀行側は自分たちの職員の問題だとは認めないのだという。
なお女性の身に起きた「悲劇」は中国では珍しくない。同様の被害を受けている預金者は多くおり、華人圏のSNSには「銀行よ、預金かえせ!」と泣き叫ぶ預金者にあふれている。
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