中国 「みんなお金がない?」

中国・旧正月に「怪現象」【動画あり】

2025/01/23
更新: 2025/01/23

中国では旧暦の正月を前に、鉄道などが増便される春運(しゅんうん)がスタートした。

春運において、今年はとくに「みんなお金がないからより安い移動手段を選んでいる」という現象が目立つほか、様々な「怪現象」も起きている。

航空券価格が大幅下落

例年であれば、旧正月に近ければ近いほど、航空券価格は高い。少しでも安いチケットを手に入れたい帰郷者はできるだけ早く航空券を買う、これは常識だった。

しかし、今年はこの常識は通用しなかったようだ。

「1か月も前に買った航空券、いまみたら半額になってる」

「キャンセルすれば高いキャンセル料かかるし、最悪だ」

「なんで旧正月直近になったのに、逆に価格が下がるんだ? 理解に苦しむ」

など、中国のSNS上では「航空券をせっかく早く買ったのに、逆に高かった。最悪だ」とする怒声にあふれている。

なかには、すでに購入した航空券の価格が、その後半額近くになっているという事態をどうしても我慢できずに、キャンセルする人も続出している。

中国メディアが報じた劉さんの場合、「差額を返して!」と航空会社やチケット販売プラットフォームに掛け合ってみたが拒否された。そこで彼女はいっそのこと航空券をキャンセルした。キャンセル料800元(約1.7万円)とられたが、それでもいったんキャンセルして再度新しい航空券を購入したほうが断然安いのだという。

このように、旧正月期間中の国内線航空券価格は、大幅下落しているのだ。

旧正月休暇に入るまでの直近3日間の航空運賃は全般的に高いが、大晦日以降は値下がりしている傾向にある。

この事態について、一部民間航空業界関係者は「すべてはマーケットの需要によって変わる、供給が需要を上回っているのだ」と指摘する。

 

「高速列車」の怪現象

例年、飛行機ではなく「高速列車」を利用して帰郷する者も多いが、今年は、「乗客ほとんどいないのにチケット買うのが大変」という怪現象が起きているとして話題になっている。

なお、中国では日本の新幹線のような高速列車のことを「高速鉄路」と呼んでいる。

早くて便利、そして快適な「高速鉄路」、例年であれば「春運」期間中はチケット転売まで行われるほど、チケット入手が困難だった。

しかし、今年はどうか。

「高速鉄路」の切符を購入する際は、席は「残りわずか」と表示されたり、「キャンセル待ち」と表示されて何とかして買っていざ乗ってみると、「全車両の乗客は自分1人だけ」、「だまされた」と訴える乗客が続出している。

 

(2025春運期間中の鈍行旧型普通列車内の様子)

 

(2025春運期間中の鈍行旧型普通列車内の様子)

 

いっぽうで、高速鉄路より3~4倍は安い、鈍行の旧型普通列車(緑皮車と呼ばれる)のほうでは大混雑だ。

しかし当局は「高速鉄路」に乗ってほしいようだ。普通列車の運行本数は減らされ、チケットが手に入らず、しかたなく「高速鉄路」に乗らざるを得ない人も出ている。

 

(2025春運期間中の鈍行旧型普通列車内の様子)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!