中国四川省雅安市(があん-し)にあるサファリパークは、来園客に対して「虎の尿」を販売している。
「リューマチなどの病気に効く」と宣伝されているが、本当なのか?
中国メディアも取り上げた「虎の尿」事件について、「買っていくお客さんも多い」と動物園職員も推している「漢方(?)」の価格は1本(瓶詰)50元(約千円)という、手に届かない値段でもないようだ。
「虎の尿」と書かれた小瓶に貼られたラベルにはこう書かれている。
「効能はリューマチ性関節炎、打撲、筋肉痛など。使用方法は外用、内服ともに可。外用の場合は虎の尿を白酒と生姜につけ、それを患部に塗る。内服でアレルギー症状が出た場合に使用を中止すること」
なお、この動物園は国が定める「観光地の等級」で最高レベル「5A」ランクに認定されている。
22日、動物園職員は中国メディアに対し、虎の尿はお盆の時に使うという。瓶詰されたもので、リューマチなどに効くことから買っていく人も多いという。
販売量について聞かれると、「1日に1~2本売れるときもあれば、1本も売れないときもある」と同スタッフは答えた。
「虎の尿」に本当に病気治療の効用があるのか。
中国メディアの取材に応じた漢方医は「虎の尿は漢方薬ではないし、治療効果はない」と断言しており「虎の骨は確かにリウマチに効果あるが、禁止薬物である」という。
「虎の尿」ニュースをめぐっては、「本当に虎の尿か?」「虎っておしっこしたい時にそのへんでするものでしょう? どうやって集めたというのか」といった収集方法に関する疑問視する声も高い。
偽物が当たり前になった中国社会
こうした何から出来たのかも不明な得体のしれない謎の商品が出回っているという情報はSNS上にも溢れている。食べ残しや下水に廃棄された油を集めて再利用する「地溝油」や中国で高い値段で売買されるマオタイ酒の中身が実はアルコール度数はやたらに高いが、コストが安い粗悪品だったとかこうした事例は数え切れないほどある。
現在、こうしたエピソードは「中国だから…」といったあたかも中国のもともとの特徴のように捉えられている。
しかし中国は儒教が創始された国だ。その、仁(思いやり)・義(公正で正しい行い)・礼(礼節を重んじる)と言った美徳は中国の数千年の歴史の中で中国全土で重んじられ、日本を含む周辺のアジアの国々もそうした中国文化を自ら取り入れようとした。そして日本は中国文化とともにそういった美徳が濃厚に残り、世界から今や日本人の特性のように捉えられている。一方、中国ではこうした美徳は中国共産党(中共)がわずか100年あまりで破壊し尽くされてしまった。
「共産党についての九つの論評【第二評】中国共産党はどのようになり上がったのか」によると
中共は政権をまだ確立していない1930年代頃、「平等で自由な理想社会」を打ち立てるため地主階級を攻撃し、“打土豪、分田地(土豪を打ち、田地を分かつ)”といったスローガンを掲げ、地主を倒し、その土地を農民に分割した。
その過程で伝統とともに中国の美徳も破壊された。共産党は悪の限りを尽くしたが、徳を積まなかったとされている。
同著では次のように述べている。
「善を積む、徳を重んじる」ことが消え、人々は殺し合いを覚えた。共産党が唱えた「大同の世」は実際、暴力強奪を認めるものとなった。
中国や中国人が世界から蔑視されるようになったのは中国共産党の悪政の結果であり、暴力と欺瞞で矯正されてしまった中国の人々は不幸だ。しかしそうした不幸も終わる兆しがあちこちに現れている。
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