国債利払い費 2028年度に1.5倍増 財務省試算で財政悪化の懸念

2025/01/24
更新: 2025/01/24

財務省が2025年度予算案をもとに将来の財政状況を試算した結果、2028年度の国債利払い費が大幅に増加する見通しであることが明らかになった。この試算によると、市場金利の上昇を考慮すると、2028年度の国債利払い費は2025年度予算案と比べて約1.5倍に膨らむ可能性がある。

財務省の試算では、2028年度までの期間で名目経済成長率を年3.0%、物価上昇率を2.0%と仮定している。また、10年物国債の金利が2025年度の2.0%から2028年度には2.5%に上昇すると想定している。

この試算に基づくと、2028年度の一般会計総額は127兆8000億円に達し、2025年度予算案より12兆3000億円増加する見込みである。この増加の主な要因として、社会保障費の増加や国債利払い費の上昇が挙げられる。

具体的には、国債の利払いと返済を合わせた国債費が2028年度に35兆3000億円となり、2025年度予算案と比べて7兆1000億円増加すると予測されている。これは、金利上昇により利払い費が膨らむことが主な原因である。

一方で、税収については2028年度に88兆円となり、2025年度予算案から9兆6000億円の増加が見込まれている。この増加は、経済成長に伴う税収の伸び率を上方修正したことも影響している。

財務省の試算では、2028年度の国の基礎的財政収支(プライマリーバランス)は2兆6000億円の黒字になると予測されている。しかし、金利上昇で膨らむ利払い費が国の財政に重くのしかかる可能性が指摘されている。

この試算結果は、日本の財政状況が今後さらに厳しくなる可能性を示唆している。政府は経済成長策と財政健全化の両立を目指しているが、国債利払い費の増加は大きな課題となりそうだ。今後、政府がこの課題にどのように対応していくかが注目される。

エポックタイムズ記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。