アメリカのトランプ大統領は、1月23日にスイスで開催されている世界経済フォーラムの年次総会、通称「ダボス会議」にオンラインで参加し、自身の「アメリカ第一主義」経済政策を国際社会に向けて宣言した。
トランプ大統領は、アメリカで製品を製造しない企業に対して関税を課す方針を示した。「米国で製品を製造しないのはあなた方の権利だが、その場合は、これまでとは異なる額の関税を支払うことになる」と述べ、関税により「経済の強化と債務返済に利用可能な何千億ドル、何兆ドルもの資金が財務省に流入する」と主張した。
一方で、アメリカ国内で製造を行う企業に対しては、法人税率を現行の21%から15%に引き下げる考えを表明した。トランプ大統領は「トランプ政権のアメリカほど企業の成長にふさわしい場所はない」と強調し、企業のアメリカ国内での生産を促す姿勢を示した。
さらに、トランプ大統領は金融政策についても言及し、連邦準備制度理事会(FRB)に対して即時の利下げを要求する考えを示した。「すぐに金利を下げるよう要請するつもりだ。そして世界中で金利は下がるべきだ」と述べ、世界的な金融緩和を求めた。
この発言は、トランプ大統領が1月20日に就任して以来、FRBの政策について初めて言及したものである。しかし、市場では1月28日から29日に開催されるFRBの会合で利下げは見送られるとの見方が強まっており、トランプ大統領の要請が実現するかどうかは不透明である。
今回のダボス会議では、トランプ新政権の政策が世界経済に与える影響について活発な議論が行われている。トランプ大統領の「アメリカ第一主義」経済政策が、国際社会にどのような影響を与えるか、今後の展開が注目される。
原油価格引き下げ要求
トランプ大統領は、ダボス会議でOPEC(石油輸出国機構)に対して原油価格の引き下げを強く要求し、原油価格の低下が複数の戦略的目的に資すると主張した。具体的には、原油価格の引き下げによって、インフレの抑制、金利引き下げの可能性、ロシアのウクライナ侵攻に対する経済的圧力についての効果を期待している。
トランプ大統領は「原油価格が下がれば、すぐに金利引き下げを要求する」と述べ、OPECに対して原油価格の引き下げを迫った。さらに、原油価格の低下によってロシアのウクライナ戦争を早期に終結させる可能性があると示唆した。
また、米国のエネルギー政策に関しては、「米国は地球上のどの国よりも大量の石油とガスを保有しており、それを活用することで事実上すべての商品やサービスのコストを削減できる」と強調した。
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