1月23日、教育省は多様性、公平性、包括性(DEI)施策を廃止する取り組みを発表した。これには、関連業務の職員を有給休暇とする措置も含まれる。
声明では「これらの行動は、連邦政府内の違法な差別や無駄な支出を終わらせるというトランプ大統領の目標に沿ったものだ。学校における分断的なイデオロギーではなく、意義ある学びを優先するための第一歩だ」と説明している。
この決定は、1月20日にトランプ大統領が署名した大統領令「過激で無駄なDEIプログラムの終結」に基づくものだ。
新しい人事とDEI排除の具体策
同日、教育省は新たな上級職の採用も発表した。これらの人事は、教育分野で大統領令を実行するためのものだ。教育長官代行にはデニス・カーター氏が就任し、正式な教育長官候補であるリンダ・マクマホン氏は上院承認を待っている。
具体策には「多様性・包括性評議会の即時解散」が含まれる。この評議会は2011年にオバマ政権が設立したものだった。
また、260万ドル以上のDEI関連契約がキャンセルされ、DEI施策を担当していた職員は有給休暇となった。
さらに、DEI関連リソースを掲載していたウェブサイトの200ページ以上が削除対象となった。同省は「これらのリソースは学校や教育機関に有害なイデオロギーを推進していた」と主張している。
民権局の「従業員エンゲージメント・多様性・公平性・包括性・アクセシビリティ評議会」も廃止された。
DEI施策に対するトランプ政権の姿勢
トランプ大統領の大統領令では、バイデン政権が「DEIを隠れ蓑にした違法かつ非道徳的な差別プログラム」を推進してきたと批判。「勤労、卓越性、個人の成就といった伝統的アメリカの価値観を損ねる」と述べた。
1月21日には、アメリカ人事管理局が連邦機関のDEI職員を有給休暇とし、各機関にDEI施策の解体を命じるメモを発行。24日には、一部の部門がDEIプログラムを隠蔽していると指摘し、10日以内の報告を求めた。
教育省の新幹部には、元アメリカ第一政策研究所幹部のレイチェル・オグルスビー氏がチーフオブスタッフとして就任し、ジョナサン・ピドルズニー氏が政策担当副チーフオブスタッフに任命された。ホワイトハウス連絡官にはスティーブ・ワーゾハ氏が指名された。
教育分野でのDEI施策の影響
教育擁護団体「Parents Defending Education」によると、教育省は2021年以降、42州の296学区に10億ドル以上をDEI関連施策として拠出した。採用やトレーニングに4.89億ドル、若者向けプログラムに3.43億ドル、メンタルヘルスや社会感情学習に1.69億ドルを費やしている。
1月23日、トランプ大統領は「違法な差別の終結と能力主義の回復」を掲げた新たな大統領令に署名。DEI施策を推進する教育機関への連邦資金提供を停止する方針を示した。この施策は「連邦の民権法や国家統一に反する」としている。
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