いよいよ旧正月(ことしは1月29日)がやってくるなか、親戚の集まりを心底恐れる中国の若者は実に多い。
両親含む親戚一同による「はやく結婚せよ、子供を産め」の催促がとてもストレスになるようだ。
とくに、中国人の親戚はとにかく遠慮しない。
会って二言目には「結婚しないの? 子づくりまだか?」「どんな仕事してるの? 給料いくら?」とずけずけと聞いてくる。
そこで「いまだ独身」や「横たわり中(失業)」と判明すれば、かなり高い確率で長いお説教が始まる。
そのような全国共通の「ずけずけ文明」が根強いためか、中国SNSには若者の心を代弁する名言まで誕生している。
それは「私はブタよりも年越しを恐れている(我比猪都怕過年)」である。
旧正月前になると、中国では家で飼っているブタや羊を屠殺して年越し時にそれを食べる風習がある。つまり、若者たちは、「殺されるブタよりも、自分は年越しが怖い」と言っているのだ。
「奥の手」
そんなストレスを一身に受ける独身者を絶望から救いあげ、その親戚一同を即刻黙らせる「奥の手」が最近、中国SNSで話題になっている。
福建省の独身男性(30歳)の経験談から生まれたその「奥の手」とは、実に単純明快なもので、「親戚たちがもっとも嫌がるお願いをする」戦略である。
「今どきお嫁さんをもらうのには、少なくとも結納金20万元(約430万円)はかかる。そのお金を貸してくれないか。貸してくれたら即結婚します!」
この「奥の手」を口に出せば、さっきまで、くどくど口うるさかった親戚一同は一瞬にして静まり返るそうだ。
男性の「武勇伝」は一部中国メディアまでも取り上げており、「なんて賢い!」「さっそく、いただく」「もうこれで今年は親戚一同なんか怖くないぞ!」といった共感と称賛の声が多く寄せられているそうだ。
(「奥の手」を持ち出されて黙り込む親戚たち、2025年1月24日、中国福建省)
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