目次

• トランプ氏就任初日に重要な大統領令に署名 中国のTikTokに注目
• トランプ氏就任で大量の資金がアメリカに流入、経済回復を助ける
• アメリカは再び黄金時代を迎えるのか？

1月20日、ドナルド・トランプ大統領が再度アメリカ合衆国の大統領に就任した際、「アメリカの黄金時代の始まり」であると宣言した。就任初日から彼の政策は、国内外政策に大きな転換をもたらしている。本記事では、トランプ新政権の政策がどのようにアメリカの未来を形作るかを掘り下げる。

トランプ大統領は1月20日の就任宣誓の日に、80以上の大統領令に署名し、すべてがアメリカの政策転換に関するものであった。これらの政策には賛否があり、特に将来の経済に悪影響を及ぼす懸念が示されている。果たして、トランプ氏の指導の下でアメリカの黄金時代は到来するのか？

トランプ氏就任初日に重要な大統領令に署名 中国のTikTokに注目

テレビプロデューサーの李軍氏は、新唐人の『菁英論壇』番組で、トランプ大統領が就任初日にアメリカの優先事項に関連する重要な大統領令に署名したと述べた。

第一に、米墨国境が国家緊急事態に突入した。

アメリカの税関・国境警備局は国境での移民庇護申請を停止し、既存の予約もすべてキャンセルした。アメリカ軍が国境地域に配備されている。

第二に、アメリカは世界保健機関（WHO）から脱退した。

第三に、エネルギー緊急事態が宣言された。

トランプ氏の行動により、政府は新しい石油化学燃料インフラの建設許可を加速できる。

この措置は、アメリカのガソリンなどの石油化学製品の価格を大幅に引き下げ、インフレを含むアメリカ経済に大きな影響を与えるだろう。

第四に、多様な性別を終了させた。

トランプ氏は、アメリカ政府の公式政策が男性と女性の2つの性別のみを認めると宣言した。これはバイデン政権下での性別アイデンティティの受容に関する大統領令を覆すものである。

第五に、TikTok禁止令の一時停止に関する大統領令に署名した。

トランプ氏は、同時にTikTokに対して、アメリカ人への売却を迫り、売却しない場合は、中国製品に100%の関税を課すとしている。

第六に、2021年1月6日の議事堂での騒乱事件に関与した約1500人に恩赦を与え、6人の被告の刑期を短縮し、選挙公約を実現した。

李軍氏は、トランプ氏がバイデン政権下で78の行政命令を撤回したと述べた。これには、人種平等を支持し、同性愛者やトランスジェンダーに対する差別と闘うための10以上の措置が含まれている。さらに、トランプ氏はパリ気候協定から脱退し、イーロン・マスク氏が率いる政府効率化省の設立を発表した。また、外国人がアメリカで生まれるとすぐにアメリカ国籍を取得できるという行政命令も取り消した。

政治経済評論家の唐柏橋氏は、『菁英論壇』で、トランプ氏が第一期政権時に中国製SNSのWeChatやTikTokの禁止を提案したが、今回はTikTokがまだ人気であると指摘した。深く分析すると、中国共産党は前回よりも恐れているかもしれない。これはトランプ氏の一手だからだ。

TikTokは単なる企業ではない。もし中国共産党がTikTokの問題に適切に対処しなければ、トランプ氏はWeChatなどの中国のソーシャルメディアプラットフォームや百度（Baidu）などのウェブサイトをすべて遮断する可能性がある。これは、中国共産党が常にアメリカのソーシャルプラットフォームや検索サイトを遮断してきたからだ。例えば、Facebook、X、YouTube、Googleは中国で禁止されている。実際、マスク氏はすでに第一弾を打ち出した。彼は、TikTokは言論の自由を制限すべきではなく、私のXも中国共産党によって禁止されるべきではないと述べ、そうでなければ不公平だと強調した。

唐柏橋氏は、これが我々の長期的なロビー活動および主張であると述べた。つまり、中国共産党がアメリカのウェブサイトを禁止するなら、我々も中国のメディアを禁止するということだ。新華社、中央テレビ、人民日報も海外で発行できなくなる。中国が禁止しないなら、我々も禁止しない。これは非常に合理的だが、予防措置や安全保護措置が必要である。したがって、今後75日間がこの問題に関する真の対決となるだろう。最終的に中国共産党は譲るだろう。なぜなら、譲らなければ完全に敗退するからだ。

トランプ氏就任で大量の資金がアメリカに流入、経済回復を助ける

李軍氏は『菁英論壇』で、トランプ大統領が就任後、世界中に関税を課し始める可能性が高いと述べた。最初はメキシコとカナダ、次に中国とヨーロッパであるかもしれない。多くの国は最初は適応できないかもしれないが、徐々に追随するだろう。

現在、EUは中国製品に対する関税を引き上げ、自国の重要な産業を保護している。東南アジア諸国やメキシコも関税を利用して国内製造業を守っており、これが反グローバリズムという新たな潮流を形成する可能性がある。この流れは、輸出重視の中国共産党にとって非常に不利である。

将来的に世界貿易機関（WTO）が閉鎖され、国同士で具体的な貿易交渉が行われるようになると考えている。各国の政策は異なり、トランプ氏がこの潮流の創造者である。

唐柏橋（とうはくきょう）氏は、前回、ナバロ氏が韓国、日本、EU各国と再交渉した最終目標が新しいWTOの設立であったと述べた。新しいWTOは、アメリカが各国と公平に交渉することを基盤とし、各国間でも日本とEUが将来的にアメリカと日本の交渉基準や公平なゲームルールを参考にするだろう。そして最終的には再び一緒になり、国連のようなグローバルな商業組織、新しいWTOを形成する。中国共産党は、この中でコントロールを失う。これがトランプ氏の目標である。

唐柏橋氏は、トランプ大統領就任時に高インフレと国債の問題に直面していると述べた。過去にアメリカの国債上限は100回以上引き上げられ、1月20日にはバイデン前大統領がこの難題をトランプ氏に引き継いだ。しかし、トランプ氏が上限を引き上げたい場合、それは1分間で解決できる問題である。現在、下院はトランプ氏、つまり共和党が支配しているため、彼は上限引き上げの法案を議論し、1千億ドルまたは1兆ドルの引き上げが可能である。

過去には数か月ごとに引き上げられることが多かったため、多くの人が上限に達し、アメリカ政府がシャットダウンすると考えているが、それはありえない。上限の引き上げには制限がなく、30兆ドルまで引き上げることができ、一気に50兆ドルまで引き上げることも可能である。

しかし、現在はマスク氏の影響を受けており、トランプ氏も同様の考えを持っている。彼らは債務の上限を引き下げようとしている。例えば、現在の30兆ドルまたは31兆ドルの債務を、1年以内に29兆ドルまたは28兆ドルに圧縮できれば、それは大きな成果である。たとえそこで止まったとしても、バイデン政権下で急増したことを考えれば、重要な貢献となる。国債をゼロにすることや、アルゼンチンのような奇跡を起こすことは難しいが、アルゼンチンは国が比較的小さく、国債もそれほど大きくないため、現在は赤字から黒字に転換している。

そのため、マスク氏は1年以内に政府の予算支出を2兆ドル削減できると述べている。この削減は、元のトレンドに従えば国債の増加を2兆ドル抑えることを意味する。彼は様々な関税を課し、多様な投資を通じて資金を引き寄せようとしている。孫正義氏の5千億ドルの投資も含め、アメリカの収入を増やし、収益を生み出すことを目指している。

あらゆる面でこの目標に向かっており、最終的にはアメリカ国民に恩恵をもたらすことが目的である。私は非常に楽観的である。トランプ氏は少なくともバイデン政権やオバマ政権、歴代政権よりも確実に良い仕事をするだろう。一気に全てが、解決することはもちろん不可能だが。

石山氏は、アメリカの国債は量的に非常に大きいが、利回りは4.4%と非常に高いと述べている。比較すると、中国の30年国債の利回りは約1.6%で、アメリカとの差は明らかである。大金を持っているなら、どこに投資するか？　もちろんアメリカに流れるだろう。この状況は大量の資金をアメリカに引き寄せ、経済回復にとって重要である。

石山は、大量の資金がアメリカに流入すれば、国債の利回りが下がり、市場全体の金利やインフレも抑制されると述べている。

アメリカは再び黄金時代を迎えるのか？

ベテランジャーナリストの郭君氏は『菁英論壇』で、アメリカが黄金時代に入る可能性があると自信を持って述べている。経済サイクルの観点から、1929年の大恐慌から1942年までに13年、1972年の経済危機から1984年までに12年がかかった。2008年の金融危機から現在まで16年が経過し、パンデミックを除くと、過去2年は回復期にあると見なされる。

国や社会は、経済の効率性と社会の公平性という2つの要素のバランスで成り立つ。効率性は人間の欲望に応え、公平性は、恐れや安全感に応える。効率性を追求すると経済は成長するが、貧富の格差や社会の分断が生じることがある。一方、公平性を追求すると全体の効率性が損なわれることが多い。これは矛盾した体系であり、バランスの取れた発展が求められる。

郭君氏は、アメリカの社会システムには独特のバランスメカニズムがあり、それは二大政党の交代制であると述べる。共和党は政府の介入を減らし、投資や起業を奨励し、減税や福祉削減を主張することで、社会の効率性を重視する。一方、民主党は弱者の保護を重視し、増税を行って福祉を拡大し、政府の規模を大きくすることで、社会の公平性を追求し、全体の効率性を犠牲にする。したがって、二大政党の交代制は、このバランスポイントを常に調整する。

これは人間の歩行に似ており、重心が移動するとバランスを失い、左足と右足が交互に動くことで新たなバランスを取り、前に進むことができる。中国の道教の陰陽バランスの観点から見ると、これは動的平衡システムであり、常にバランスを失い、調整を行いながら新たなバランスに達する。

したがって、時には左が正しいのか、右が正しいのかを判断するのは難しい。異なる状況では、全体のバランスを取るために異なるアプローチが必要である。オバマ政権以降、トランプ氏の4年間と1年のパンデミックを除くと、オバマの8年間とバイデンの4年間の12年間は民主党が優位であった。

現在、トランプ大統領が就任し、小さな政府、減税、起業や投資の奨励を強調することで、社会の効率性を高める方向に戻っている。これは通常、経済に大きな刺激を与える。現在の状況は、まるでレーガン時代の再来のようだ。レーガン時代はクリントン時代まで続き、10年以上にわたってアメリカの経済、社会、技術に劇的な変化をもたらした。

郭君氏は、トランプ氏とレーガン元大統領には多くの共通点があると指摘する。両者は高齢で大統領に就任し、レーガン氏は68歳、トランプ氏は70歳であった。レーガンの前にはカーター大統領、トランプ氏の間にはバイデン大統領がいた。

レーガン氏は就任早々、アメリカの石油掘削と生産を自由化した。トランプ氏も同様の政策を実施している。

レーガン氏が就任した時は、高インフレと経済悪化があり、トランプ氏も同じ状況に直面している。

レーガン氏は労働組合運動を抑制し、トランプ氏も左派の政策を抑制している。

さらに、レーガン氏は旧ソ連の共産主義に挑戦し、トランプ氏は中国共産党政権に挑戦している。

レーガン氏は軍備を強化し、国防に多くの資金を投入したが、トランプ氏も同様のアプローチを取っている。

レーガン氏の任期中、アメリカの国債は大幅に増加した。トランプ氏も同様の状況になると考えられている。

レーガン氏が大統領に選ばれる前、ソ連はアフガニスタンに侵攻した。トランプ氏の2期目の大統領就任前にはロシアがウクライナに侵攻した。このように、両者の状況には多くの類似点がある。

アメリカの極左派はレーガン氏を好まず、現在もトランプ氏を好んでいない。しかし、アメリカ人はレーガン氏を好み、彼をアメリカの偉大な大統領の一人と見なしている。トランプ氏も同様の状況にあり、将来的には歴史的に高く評価される大統領の一人になる可能性がある。