ウォール・ストリート・ジャーナルは1月26日、アメリカの投資ファンドが、USスチールに対して日本製鉄との買収合意を破棄するよう求める株主提案を準備していると報じた。
アンコラ・ホールディングスは、USスチールの最高経営責任者(CEO)の解任を要求し、日本製鉄による買収実現に向けた訴訟の取り下げを求めている。また、同社はUSスチールの取締役会に9人の候補者を推薦しており、その中には、カナダの鉄鋼メーカー・Stelcoの元CEOであるアラン・ケステンバウム氏が含まれている。
アンコラは、ケステンバウム氏を新しいUSスチールのCEOに起用することを目指し、他の株主にも賛同を呼びかける準備を進めているという。
日本製鉄は、USスチールを約2兆円(141億ドル)で買収することで合意した。しかし、この買収計画は全米鉄鋼労組(USW)や米国の政治家から反発を受けた。2025年1月3日、バイデン大統領は国家安全保障上の懸念として、大統領令によりこの買収を正式に禁止した。トランプ氏も、日本製鉄によるUSスチール買収に反対している。
日本製鉄とUSスチールは、買収禁止命令の無効を求めて提訴した。日本製鉄は1月12日、USスチール買収に関する措置を講じる期限を2024年6月18日まで延長すると発表した。
今回のアンコラによる提案や、法的措置の行方が今後の買収計画にどのような影響を与えるのか注目されている。
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