吉野家ホールディングス(HD)が2025年2月期の国内新規出店計画を大幅に縮小することが明らかになった。日本経済新聞が報じた。当初114店舗の出店を予定していたが、実際の出店数は約半分の50店舗程度になる見通しだ。この背景には、建築費や賃料、人件費の高騰があると考えられる。
吉野家HDだけでなく、外食業界全体で出店計画の見直しが相次いでいる。「丸亀製麺」を展開するトリドールHDも、2025年3月期の国内出店数が当初の計画より45%減少する見込みだ。
外食産業は長年、新規出店を通じて成長を続けてきた。しかし、国内市場の飽和や様々なコストの上昇により、大規模な店舗拡大が困難になってきている。この状況に対応するため、外食各社は戦略の転換を迫られている。
具体的には、1店舗あたりの客単価を引き上げる取り組みや、M&A(合併・買収)の活用、海外事業の強化などが考えられる。これらの施策により、店舗数の増加に頼らない成長モデルの構築が求められている。
一方で、吉野家HDは2022年度から2024年度までの中期経営計画において、収益性の向上と持続的成長を目指すとしている。しかし、今回の出店計画の縮小により、この目標達成への影響が懸念される。
外食業界は今後も厳しい経営環境が続くと予想される。各社がいかに効率的な経営と新たな成長戦略を構築できるかが、今後の業界動向を左右する重要な要素となるだろう。
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