アメリカ軍事 トランプ大統領は、米軍の文化に関する一連の大統領令に署名した。 70 85ryan

トランプ大統領 トランスジェンダー制限と軍のDEI廃止を指示

2025/01/28
更新: 2025/01/30

トランプ大統領は1月27日、トランスジェンダーの個人が米軍で公然と服務することを制限する新たな大統領令に署名するとともに、軍内部で実施されていた多様性、公平性、包括性(DEI)プログラムの廃止を命じた。

「軍事の卓越性と即応性の優先(Prioritizing Military Excellence and Readiness)」と題された大統領令では、「性別不一致(性別適合)」の医療、外科手術、精神的な制約や、性別を正確に反映していない代名詞の使用は、部隊の即応性や一体性、誠実性、統一性といったアメリカ政府の方針に矛盾するものだと指摘している。

「軍事の卓越性の追求は、政治的議題や部隊の一体性を損なうようなイデオロギーによって薄められるべきではない」と同大統領令には記されている。

また、「軍隊は、厳しい環境下や日常的な医療や特別な支援を受けられない状況でも、展開し、戦い、勝利できるよう、高い精神的・身体的基準を維持しなければならない」と強調している。

トランスジェンダーに関する懸念

大紀元が入手したホワイトハウスの資料によると、今回の大統領令は、性別適合手術の治療中および治療後において、トランスジェンダーの個人が軍の即応性要件を満たせないという懸念に対処する内容となっている。

「性別変更手術後の治療が完了するまでに最低12か月が必要で、その間、重度の鎮痛薬を使用することが多い」と資料には記されている。「この期間中、軍の即応性要件を満たす身体的能力を持つことは困難であり、継続的な医療が必要となる」としている。

トランプ1期目政権時にもトランスジェンダーの服務を制限する政策を実施していたが、バイデン大統領は2021年に就任直後の大統領令14004でこれを撤回し、トランスジェンダー個人の軍服務を明確に許可していた。今回のトランプ大統領の新たな大統領令は、この2021年のバイデン政権の大統領令を取り消し、国防総省に対して軍の即応性や展開可能性に関する医療基準を更新するよう求めている。

この新しい命令は、すべての米軍および沿岸警備隊に適用される。

軍は今後「発明された、または識別に基づく代名詞」の使用を認めないとしている。さらに、個人が「生物学的性別」に基づいた寝室、更衣室、トイレを使用すると明記している。

軍のDEIプログラムの廃止

トランプ大統領の2つ目の大統領令は、軍内部のDEIプログラムを廃止する内容となっている。この命令では、軍、国防総省、国土安全保障省のいかなる部門においても、人種や性別に基づく差別的な優遇措置を取りやめるよう求めている。

また、新たに就任したピート・ヘグセス国防長官に対し、過去のDEIプログラムや実践が引き起こした差別の疑惑を調査し、その結果を報告するよう命じた。同様に、クリスティ・ノーム国土安全保障長官にも、軍事学校や関連教育機関のカリキュラムを見直し、DEIプログラムを廃止するよう指示している。ヘグセス長官は、この調査結果を90日以内に提出することを求められている。

ヘグセス長官は1月26日のSNS投稿で「大統領の指示は明確だ。国防総省におけるDEIは即刻終了する。例外や遅延は認められない」と強調した。

ワクチン拒否で除隊された軍人の復職

さらにトランプ大統領は、新たな大統領令で、バイデン政権下のコロナワクチン接種義務を拒否したために不本意に退役させられた米軍兵士の復職を命じた。この命令により、希望者は元の階級に復帰し、退役中に失った給与や福利厚生を全額補償されることになる。

2023年の国防権限法(NDAA)では、軍のワクチン接種義務を終了する条項が盛り込まれ、国防総省は2023年1月にこの方針を公式に撤回していた。

2022年12月、ランド・ポール上院議員は、バイデン政権のワクチン接種義務政策により約3400人の兵士が退役を強いられたと推計していた。

軍事と外交問題を専門とするエポックタイムズの記者