トランプ大統領 半導体、医薬品、金属に関税を賦課する計画発表

2025/01/28
更新: 2025/01/28

アメリカ合衆国のトランプ大統領は、外国からの医薬品、半導体、コンピューターチップ、さらには鋼、アルミニウム、銅などの金属に対して関税を課す計画を発表し、アメリカ国内の製造業の発展を促進する意向を示した。

1月27日、フロリダ州マイアミのトランプ・ナショナル・ドラル・ゴルフクラブで開催された下院共和党の集会で、トランプ大統領は次のように発言した。

「近い将来、我々は外国で生産されたコンピューターチップ、半導体、薬品に関税を課し、これらの必需品の生産をアメリカに戻すつもりだ」

「私たちはチップや半導体に注目し、鉄鋼やその他のいくつかの産業にも目を向けている。何かが起こるのを目にすることになるだろう」

また、トランプ大統領は「私たちの軍隊はこれらの品目を必要としている」ため、潜在的な関税対象としてアルミニウムと銅を挙げた

「今こそアメリカが以前よりも豊かで強力な体制に戻る時だ」とトランプ大統領は述べている。

トランプ大統領の関税引き上げの方針は、1890年代に元大統領ウィリアム・マッキンリーが実施した政策に似ていると指摘されている。マッキンリー元大統領は、過去に米西戦争で、アメリカがスペインを打ち負かすのを指導し、関税を引き上げることでアメリカの産業を保護した。

これまでにトランプ大統領は、今週末までにカナダメキシコ中国に対して包括的な関税を課すと約束していた。

トランプ大統領は、かつて米国では毎日1隻の船を建造することができた時期があったが、現在では多くの製造能力が海外に移転してしまったと指摘した。

また、半導体産業が米国を離れ、世界のチップ事業の98%を握る台湾に移ったことについても言及した。

トランプ大統領は、ジョー・バイデン前大統領が提唱した補助金プログラムよりも、関税の方が米国の先端チップ製造産業の維持・構築に役立つと主張した。また関税を回避しようとする企業は、製造ラインをアメリカに移転する必要があると述べた。

「あなたたちが困難を乗り越える唯一の方法は、工場を建設することだ。関税の支払いをやめたいのであれば、アメリカに工場を建設する必要がある」

「彼らは自分たちの資金で工場を建設するので、私たちが彼らを支援する必要はない」

とトランプ大統領は言及した。

トランプ大統領がこの年次イベントに参加したのは、共和党の議員たちを団結させ、今後の厳しい政策改革に備えて士気を高めるためだ。

共和党の議員たちは、アメリカ連邦政府の債務上限を引き上げる必要があるだけでなく、新たな国境安全政策の策定、防衛支出の増加、税制改革なども進めている。現在、これらの立法に関して、最終的な具体的な詳細が詰められていると言う。

トランプ大統領は、共和党が218対215の議席で下院でわずかな優位を持っていると指摘し、団結を呼びかけた。

「私たちは前例のない勝利のチャンスを持っている。私たちが団結すれば、第119回国会はアメリカの歴史の中で最も成功し、最も成果を上げた共和党の多数派として記憶されるだろう」

 

トランプ大統領「アメリカは全力を尽くさなければ勝てない」

トランプ大統領が半導体関税を課す意向を示した際、中国の人工知能(AI)スタートアップ企業DeepSeekが、より費用対効果の高いオープンソースモデルを発表し、アメリカのアップル社のApp Storeで最高評価の無料アプリとなったと主張した。

このニュースは市場に衝撃を与え、エヌビディア(Nvidia)を含む多くのアメリカのテクノロジー大手の株価に大きな影響を及ぼした。

トランプ大統領は、

「中国の企業がDeepSeek AIを発表したことは、私たちの業界にとって警鐘を鳴らすものであり、私たちは競争に全力を尽くさなければならない」

と述べた。

陳霆