きょう、いよいよ迎えた旧暦の正月。しかしお隣の中国では「今年の旧正月は年越しの風情が全くない」「人生に希望も持てない」といった嘆きの声にあふれている。
「年越しには一家団欒で食卓を囲う」などの伝統を重んじる華人にとって、かつて、「年越し」はとてもおめでたい話題だった。
しかし、今では「お金もなければ希望もない、笑顔を無理に作って、心中に苦しみや痛みをひたすら隠さなければならない年越しは苦痛」という人も少なくない。
最近では、「一目瞭然の北京の不況」と題された文章が中国SNSで拡散され、広く共感を呼んだ。北京の街をめぐり、北京がいかに「寒い」かについてつづったこの文章は、案の定、検閲に引っ掛かり、封殺に遭った。
しかし、中国共産党当局がいくら頑張って作り上げようとしても、不況の嵐が中国全土に吹き荒れている事実は何ら変わらない。
(2025年1月12日の河北省唐山市のショッピングモール内の様子、ほとんど客はいない。)
「中国史上最も物寂しい新年?」
年越しの風物詩でもある「花火」や「爆竹」は、今年も打ち上げ禁止・制限地域が拡大。なにより、みんなお金がない。
「今年は中国史上最も物寂しい新年になるだろう」と、旧正月前から早くも民間でそうささやかれている。
かつて大混雑した旧正月前の帰省ラッシュ「春運」も、今年は様々な「怪現象」が見られた。
利用者が少ないから航空券価格は大幅下落し、「高速列車(日本でいうところの新幹線)」にも客はほとんどいない。しかし、一番安い鈍行の旧型普通列車(緑皮車と呼ばれる)では超がつくほどの大混雑だ。
要するに、みんな「お金がない」ため、できるだけ節約をしようとしているのだ。
かつて人々が正月用品を買い求めるために押し寄せた年越し品市場も、いまでは閑古鳥が鳴き、なかには「お金がないから」と帰省しないことを選ぶ出稼ぎ労働者も少なくない。
(「今年はどうしちゃったの?客はどこへ行った?」と嘆く商人たち)
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