奈良県は1月30日、山下真知事が表明していた防災拠点での大規模太陽光発電所(メガソーラー)の設置計画を断念したことを明らかにした。同日開催された有識者会合での議論を経て判断を下した。共同通信のほか複数のメディアが報じた。
計画では、県内の防災拠点に大規模な太陽光パネルを設置し、災害時の電力確保と平常時の再生可能エネルギー利用を目指していた。読売新聞によると、設置予定地周辺の住民や地元自治体である五條市の同意が得られなかった。
五條市の条例では、50キロワット以上の太陽光発電設備の設置には地元住民の同意や市との協議を必要としている。
また地元住民や県議会からも強い反対があり、自民党と公明党の県議や住民らが災害リスクなどを懸念して反発したという。計画地周辺の住民から、水質汚濁の可能性や土砂災害の発生リスクについて懸念の声が上がっていた。
会合後、山下知事は報道陣の取材に応じ、「地元の理解が得られておらず、事実上断念する」と述べた。
太陽光パネルはパネルに含まれる有害物質の適切な処理やリサイクルも課題となっており、かえって環境破壊につながりかねないという指摘も出ている。
今回の決定により、奈良県の太陽光パネルの規模は当初の計画から大幅に縮小することになり、今後、他の自治体への影響もでる可能性がある。
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