アメリカの首都ワシントン近郊で発生した旅客機と軍用ヘリの衝突事故で、墜落した旅客機にアメリカとロシアのフィギュアスケート関係者が複数搭乗していたことが明らかになった。
アメリカン航空5342便は1月29日夜、ワシントン近郊のレーガン・ナショナル空港に着陸しようとしていた際、米軍のヘリコプター「ブラックホーク」と空中で衝突し、ポトマック川に墜落した。旅客機には乗客60人と乗員4人の計64人が搭乗していたとされる。
アメリカのフィギュアスケート協会は30日、声明を発表し、墜落した旅客機に「スケート関係者数名が搭乗していたことを確認した」と明らかにした。これらの関係者は、カンザス州ウィチタで20日から26日まで開催されていた全米フィギュアスケート選手権に合わせて行われた強化合宿から帰途についていたという。
同協会は「この言いようのない悲劇に打ちのめされ、犠牲者のご家族のために心からの祈りを捧げます」とコメントしている。
また、ロシアのタス通信は、1994年のフィギュアスケート世界選手権ペア部門で優勝したエフゲーニヤ・シシコワ選手とワジム・ナウモフさん夫妻も同機に搭乗していたと報じている。2人は近年、アメリカで若手スケーターの指導にあたっていたとされる。
事故機が出発したカンザス州ウィチタでは、20日から26日にかけてフィギュアスケートの全米選手権が開催されており、旅客機には複数のフィギュア関係者が搭乗していたとみられる。
現在、現場では300人体制で救助・捜索活動が行われているが、水温が2度と低く、強風のため作業は難航しているという。地元当局者は、旅客機の乗客・乗員64人とヘリに搭乗していた3人の生存は厳しいとの見方を示している。
この事故について、アメリカの連邦捜査局(FBI)は現時点で犯罪やテロの兆候は確認されていないとしている。事故原因の究明は今後進められる見通しだ。
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